2010/05/10 (月)
中島潔さん、と言ってピンとこられない方でも、 この絵をご覧になれば「あぁ〜、あぁ〜」と思われるでしょう。
よくこの日記に書いているように、わたしはビッグコミックオリジナルの長年の愛読者。 そこに連載されている作品に「あぶさん」がある。 南海ホークスの野球選手(もちろん実在しない)が主人公で、 60歳を過ぎてなお現役を続け、昨シーズン限りでソフトバンクを引退した。 そして、つい先号から2軍の助監督になった。 そのあぶさんの妻の実家が大阪にある居酒屋。そこの常連客として、かの中島潔さんが時々登場する。 吹き出しの台詞がなくても、静かに酒を呑んでいる。 フィクションに野球選手以外の実在の人物が登場する妙がある。
そして、今号はその中島さんが、清水寺の塔頭成就院に4部屋46面の襖絵を描き上げ、奉納したという話。 そういうことをつゆ知らず、あらためてネット検索すると先月23日のニュースで出ていた。詳しくはこちらを拝借 この連休中には一般公開もされたらしい。 漫画の中では、「当初、書き上げる期限を4年間と言われたときは受けようかどうしようか考えた」が、 「完成したときが締め切り日とのあぶさんの助言で受けた」とあり、結果的に5年間を要したようだ。 締め切りを気にしていてはいい作品ができない。作家と芸術家に共通するところか。 中島さんの作品は、ほのぼのさを感じさせる叙情的な日本画だ。 今回は実在する人物の実際の話が描かれたわけだが、 以前、大阪花博では、フィクション(あぶさんの息子)人物の、現実の話があった=ここ。 この漫画もまたおもしろい作品だ。
|