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[1786] 木酢液のこと 投稿者:たま 投稿日:2002/05/19(Sun) 02:12
 みなさん、こんばんは。
 木酢液についてはいろいろと言われているため、どれが本当?どこまで本当?とお思いではないでしょうか?そこで、一部情報を提供し、皆さんの参考になればと思っております。
 ただし、ここの内容は一般論で、いろいろな野菜、穀類全てに当てはまるとは限りません。各自の責任で調査、調整して試してください。

 木酢液は木炭を作るときに出る煙の一部を冷やして作ります。木から出る成分の濃縮液です。木の成分とはいっても燃やしているので当然、植物にとって有効なものだけでなく、害のある物質も含まれています(タールなど)。それを分離、精製したものが精製木酢液(商品として売っている木酢液)です。
 煙の一部を使っているため、当然、その一部の取り方で善し悪しが出てきます。よい木酢液とは
 1.黄褐色ないし、赤褐色で透明感が高く、不純物の浮いてないもの
 2.刺激臭や異臭の強くないもの・・・木酢液には独特の強いにおいがありますが、不快なものではありません。また、酢のにおいのような刺激臭があるものはpH調整のために氷酢酸(酢)を入れている可能性があります。
 3.品質表示欄にpHの表示がある場合には3前後を目安に

 店頭で上の1.2.を調べるのは難しいですが、選ぶときの基準です。
 
 気になる木酢液の効果ですが、以下の4つがあります。
 1.土壌中の有用微生物の繁殖を促す。
 2.土壌や肥料の有効成分を溶かし込む。
 3.植物の生理活性を高める。
 4.農薬の効果を高める。

 木酢液の原液〜50倍希釈液を木炭、堆肥とともに古い土に混ぜて2週間以上置いておくと古い土が再生します。これは木酢液の有機酸等により土壌中の微生物が殺菌され、新しく微生物が繁殖し直すからです。(上記1.)木炭は土壌改良材で堆肥は肥料としてだけでなく、植物に有用な微生物が多くいるから一緒に混ぜます。
 木酢液の200倍液はその作用により植物や微生物に必要な物質を作り出します。市販の堆肥などで十分に熟してないものにこの200倍液をかけて置いておくと通常よりも早く完熟します。豚ぷん、鶏糞、腐葉土の発酵促進にも使えます。(上記2.)
 木酢液の300〜1000倍液を株もとおよび植物全体にかけると葉のツヤがよくなり、光合成や生理活性が高まり生育促進、葉の病害虫抵抗力を高めます。(上記3.)
 木酢液の500〜1000倍液で農薬を2倍希釈しても農薬の効果は変わりません。これは多くの農薬が酸性で木酢液によく溶けることと、木酢液が展着剤のような効果をし、葉への浸透力を高めます。これにより、農薬の使用量を半分にすることができます。(上記4.)ただし、これはあくまで酸性の農薬についてであって、アルカリ性の農薬(石灰硫黄合剤やボルドー液など)にはつかえません。これらを木酢液と混ぜると激しい化学反応が起き、植物に悪いだけでなく、危険です。絶対に混ぜないでください。
 木酢液には病害虫にたいして多少の予防、駆除効果はありますが、それだけで病害虫を防ぐことは難しいです。ほかの方法と組み合わせて使うことでその効果が上がります。また、木酢液2リットルに以下のものをいずれかくわえて3ヶ月以上つけ込み、その液を200〜500倍に希釈して自家製防除用エキスになります。
・唐辛子の粉末(400g)
・ドクダミの茎と葉(未乾燥)
・ニンニクのぶつ切り(1kg)

 最後に、木酢液は200種類以上の化学物質からなると言われており、その構成成分は一部しか明らかになっていません。また、木からできた成分ではありますが、燃やす、精製という行為によって作られていることも事実です。木酢液は植物にも微生物にも人間に対しても毒にも薬にもなります。現在のところ農薬に指定はされていませんが、農薬指定した方が良いのではないかという意見もあるらしいです。農薬と違い、使い方さえ間違わなければかけすぎることはまずないでしょう。しかし、常に複雑な化学物質の混合物であることを念頭に置き、適切な希釈をしたうえで使わなくてはいけません。原液を植物にかけると枯れます。

 かなり長くなりましたが、これが木酢液の一般的な性質です。みなさんの経験やご意見をお願いします。
[1786へのレス] Re: 木酢液のこと 投稿者:マメダ丸 投稿日:2002/05/19(Sun) 21:23
これは、流すの勿体ないのでたまさんの木酢液ページに移しますね。
ちょいお待ちを。。
[1786へのレス] 私が木酢液を辞めてしまった理由 投稿者:エーディン 投稿日:2002/05/19(Sun) 21:30
たまさん、こんにちわ。

詳しい解説大変ご苦労様でした。

私が使うのを辞めてしまった理由なんですが、信用ある製品の入手が難しいっていうのが主です。実際は、他にも広葉樹から作られなくてはいけない(厳密には樹種の指定も)など、細かい指定がありますよね。

**倍に希釈・・というのも、元の製品の濃度がどのくらいなのかによって、まったく変わってしまうんですよね・・(^^; たまさんもおっしゃられているように、木酢液というのは、結構両刃の剣のようなところがあるので、自信持って使えなくなってしまったんです。

殆ど農薬に近い性質を持っていながら、製品の品質が安定していない・・。農薬ならどこのメーカーを買っても、濃度や成分が表示と違うなんてこともまずないですが、木酢液に関してはメーカーを信じるしかない・・って感じで・・。

実際、バラへの利用で一時とても話題になった事がありまして、その言い出しっぺの人と同じ濃度したら、アブラムシは死んでも、葉が焼けてしまった・・みたいな経験が多くあります。何種類か試したのですが・・

前に ohyakusyou2001さんがおっしゃっていたように、堆肥作りに利用するのだったら、また使ってみたいなという気持ちがします。
[1786へのレス] Re: 木酢液のこと 投稿者:たま 投稿日:2002/05/19(Sun) 22:46
 こんばんは。
 マメダ丸さん、木酢液ページって・・・?作るんですか?それならもっといろんな方のご意見も聞いてから移した方が・・・。>ここまで書いておいて・・・。(^-^;)

 エーディンさん、おっしゃるとおり、広葉樹のみです。樹種の指定というよりこの樹種が一番よいということらしいですが、多くの場合、樹種なんてわかりませんよね。
>**倍に希釈・・というのも、元の製品の濃度がどのくらいなのかによって、まったく変わってしまうんですよね・・
 そうなんです。だから、安定供給されている製品の中から自分で使いやすいものを探し、それを使うのがベター。それでも、製品のロット毎に濃度は微妙に変わりますからね。
>殆ど農薬に近い性質を持っていながら、製品の品質が安定していない・・。
 これも問題ですが、だからこそ農薬になってないとも言えます。一定の品質で一定の成分だと農薬指定されてるでしょうね。
>言い出しっぺの人と同じ濃度したら、アブラムシは死んでも、葉が焼けてしまった・・
 そうなんですよね。こういうことがよく起こっても不思議でないのが木酢液で、植物の状態や気候、使う製品によって同じ濃度でも結果が大きく変わってしまいます。

 結果的に植物にたいして使うときは薄い濃度から少しずつ濃くしていき、その中で適当な濃度を探さなくてはなりません。また、植物に定期的に木酢液を散布している場合と、してない場合では病害虫にたいして使える濃度はおそらく異なってくるでしょう。前者はおそらく葉が分厚くなっていると思われるので後者に比べ濃い液が使えると思います。
 そういうことを考えると、堆肥づくりや土づくりに利用するのが一番、安全で確実かもしれません。この場合は濃い液を使うので必ず2週間以上放置し、1週間くらいで一度すき込んでやるとよいようです。
[1786へのレス] あ、どもども(まだページ作ってないす・笑) 投稿者:マメダ丸 投稿日:2002/05/19(Sun) 23:23
我が家流堆肥のコーナーとかね。一番人気のページだったのに、移す手間と時間が
かけられなくなって動かなくなったページがあるのですよ。そこをまた充実させたいなぁ、と。
ここ、yahooでは堆肥サイトって紹介されてるし。(なんでか?)
土作りに関心ある人多いのですよ。(^-^)

私は、どうやったら話題を引き出して再利用しやすくなるか。
私の手間が少ないか。(笑)ちと、考えます。(^^ゞ

木酢に関しては分析成分を見たら有毒なものも含まれているので、個人的には
「植物から出来ているから安全」と言った論調にだけは??ですが
実際使ってみて悪い感じはない、その程度の認識です。

うまく理解して使いこなせればいいと思っていますが、なかなか勉強する時間が無くて。。
皆さんの話を読んで勉強させて貰っています。(ぺこ)

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