薬になる野菜(薬菜) ジャガイモ
2006/03/01 (水)

薬菜(薬になる野菜)は朝鮮人参やハーブや特殊な新顔野菜だけではなく、身近な野菜の中にも食事で摂取することにより体の機能を整え癌や生活習慣病を予防することができるといわれます。

ただ、ただ「この野菜は体にいい」と漠然と利用したり普及させるのではなく、その野菜にはどのような成分が含まれていて、それがどんな働きをして、どういう風にいいのかを調べたり研究したりすることで多くの人に役立ててもらえるものと考えています、もちろん「病気を治す」などと薬事法に触れて一部の健康食品まがいの宣伝をするものではなく、日常の食生活に少しでも意識的に役立てていただければと考えて、私達は薬菜を勉強し、研究を続けたいと思っています。

今回は私達の身近にあるジャガイモを取り上げて、その栽培方法まで書き込んで見たいと思います。 

ジャガイモの原産地は中米から南米のアンデス山系の3500メートルを越える熱帯下の高地(現在のペルー、ボリビヤ付近)でインカ帝国を征服したスペイン人が本国に伝え、その後ヨーロッパ諸国で栽培が普及しました。
日本には、ジャカルタ(インドネシア)から伝わったのでジャガタライモの呼び名があります。

ジャガイモは数少ないアルカリ食品で、ジャガイモに含まれる栄養素の主成分はデンプンなのですが、米飯より低カロリーなために「健康食品、美容食」のイメージが定着しつつあります、このほかにカリウム、ビタミンC、リン、鉄、食物繊維などが含まれていますが、特にジャガイモが優れているのは他の青果物のビタミンCが熱に弱いのに対し、ジャガイモのビタミンCは長時間煮ても70パーセント以上も失われずに残ることです、それはビタミンCがデンプンに包まれていて加熱しても逃げにくいからです。

ビタミンCには数多くの効果が知られていて、中でも日焼けによって出来るメラミンというシミやソバカスのもとになる黒色色素の増加を抑制して白く美しい肌を保つ働きがあります、これはビタミンCが副腎の働きを助け、副腎皮質ホルモンが中性脂肪やコレステロールの増加を防ぐからで、同時に細胞と細胞をつなぐコラーゲンの生成を促進して、肌に張りをもたせ若さを保つ効果があります。

また、ハムやタラコなどに使われる食品添加物等に含まれる亜硝酸と肉類などの動物タンパク質が分解してできるアミンとが反応して生成される発がん性物質「ニトロソアミン」をビタミンCは抑制する効果があり、それは大腸癌の予防になるのです、またストレスによる胃潰瘍や心筋梗塞を予防する働きもあるといわれます、ビタミンCだけで見ると大きめのジャガイモ2個を食べるとそれだけで1日に必要とされる50ミリグラムをジャガイモだけでまかなうことができる計算になります。

ストレス等からくる、軽い症状の胃炎や胃潰瘍の時、生の皮を剥いた大きめのジャガイモ一個をすりおろしてその絞り汁を飲むと大変効果があります、もちろん酷い症状の時には病院で見てもらうことが大事ですが、その時の搾りかすのイモは味噌汁などに小さく丸めて入れるとモチモチして大変美味しいものでお勧めです。

ジャガイモに多く含まれるカリウムは食塩の摂りすぎによる高血圧を予防する働きがあります、これは塩分のとりすぎで、細胞内のナトリウムが多くなるとカリウムが追い出されて細胞が衰弱し腎臓が血液を必要としてレニンなどの血圧を上昇させる物資を分泌するためでカリウムを常に補うことが必要なのです、カリウムは血液中の塩分バランスを整えナトリウムを体外に排出する働きもあります。

ジャガイモに含まれるミネラルで、今後特に注目されると思われるのが鉄分です、鉄は血液中の赤血球の赤い色素であるヘモグロビンの重要な成分です、ヘモグロビンが肺でガス交換をした新鮮な酸素を体内に運ぶ働きをします、鉄が不足すると女性に多い貧血になります、最近栽培方法によってジャガイモに含まれる鉄分を多くすることができる事がわかってきています。

更に最近第六の栄養素といわれるようになった食物繊維も多く含まれているのですが、ジャガイモに含まれる食物繊維は水溶性のペクチンと、非水溶性のセルロースの両方が含まれていて、食物繊維は便秘を防ぎ血液中のコレステロール値を下げて心臓病や動脈硬化を防ぎ、パントテン酸の合成を促し副交感神経の働きを助けて、胃潰瘍、冷え症、貧血、頭痛、肩こりなどを予防する効果があると言われます。

ただ、ジャガイモの日に当たったりして緑になった部分や芽には、ソラニンというアルカロイド(有毒物質)が含まれています、調理の時には必ず芽は取り除きましょう、これを食べるとめまいや腹痛などの中毒症状を起こします、ソラニンは調理して熱を加えても分解しない物質です。

 
健康野菜作りを有機栽培で頑張っています 
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