2004/02/19 (木)
アポロ宇宙船が地球に戻ったときに「酸化エチレン」 という強力な殺菌作用をもつ物質を利用して殺菌し たそうです。植物も傷ができるとエチレンを生成し て病原菌に抵抗しようとします。
この中で面白い話があります。 実は窒素は植物に取り込まれると、生長を促進す る効果の高いジベレリンやオーキシン、サイトカ イニンなどの生成を促進し、成長抑制物質である エチレンやアブシジン酸の生成を抑えます。 なので植物体内の窒素レベルが高まるほど生長は 促進されますが、エチレンの生成が少なくなるた め病原菌に対抗する力が弱まります。
昔から冬季に行われていた麦踏みも霜柱で根が浮 きあがるのを防止するとともに、物理的刺激によ りエチレンが生成されて、茎数が増えずんぐりと した姿になり、根張りが良くなって多収となりま す。
海岸の岩場などに生える松はあまり背が高くなり ません。背が高いと強風により折れてしまう危険 が高くなるからです。このように常に風による刺 激を受けたり、ごく強い乾燥刺激を受け続けると、 松もエチレンを生成し続けるため生長が抑えられ て茎が太くなるのです。
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