やはり決め手は「人」
2009/02/08 (日)

やはり、決め手は「人」である。
誰だって他人と接点を持っているし、多少の差はあれど、人に世話になり人に迷惑をかけ、人のために役立って生きている。
人間は社会生活を営んでいるわけだから、考えるまでもなく「人」が決め手というのは当然の事だ。

しかし、今まで、世の中は効率化を目指すために人と人との接点をいかに減らすかという努力をしてきた。
スーパーへ行けば、商品の説明をしてくれる人は居ないし、比較的高額な電化製品だって今はネット販売で売り手と接する事無く販売されている。
もっとも、今どきの電気屋へ行ったって、商品の説明などはできっこないから、ネット販売と同じようなものか。

レストランへ行けば、マニュアル通りに作られたお仕着せ料理なので、味が濃いの薄いのなんて希望は聞いてもらえないし、コンビニ、ホームセンターも少ないスタッフでたくさんの客をさばくことに躍起になっている。

こんなご時世になってくると、ますます輝いて見えてくるのが「人」である。

レストランへ食事に行っても、サービススタッフの対応がとても良いと、誰でも気分が良くなり、また行こうという気持ちになるだろう(料理がよほどひどい場合は除く)

ファストフードやファミリーレストランへ客として行った場合、注文の他にスタッフと30秒以上話をする事があるのか考えてみるといい。
客の要望を適確にとらえ、説明を望んでいるとみるとあれば、食材から調理法まできちんと説明してくれる。実に気持ちが良い。

今、私の周囲で流行っている飲食店を見ると、間違いなくスタッフが生き生きとして働いている。
お客は、料理を食べにだけではなく、スタッフからエネルギーをもらいに行っているのではないかと思う程だ。

もちろん、そのよう店の環境は一朝一夕に作ることができるものではなく、ましてや「スマイル0円」なんて安っぽいスローガンで達成できるものでもない。
そう考えると、ファミリーレストランが今、大変苦戦している理由が分かる気がする。

今、私が働いているスキー場では、ほとんど毎日、スタッフがお客さんの記念写真を撮っている。
ファミリー、友人同士、恋人同士など場面は様々。
で、その写真をスタッフのブログに載せる。
その写真の数たるや、ハンパではない。多い日は一日で何十枚と掲載される。
で、それを楽しみにしてきて下さるお客さんが増えてきた。
確かに手間はかかるし、それが直接、売上げになる訳ではないけど、お客さんの反応を見ていると、今、世の中ではこういった人間対人間のサービスが待ち望まれている事がよく分かる。

最近は、この写真のウケ狙いで着ぐるみを着てきたり、学生服やスーツ姿でスキー場に来るお客さんも珍しくない。

さて、農業にも同じようなことが言える。
同一品目を大量に栽培して、市場なりスーパーなりに出荷する。数量と品質と価格さえ折り合いがつけばそれでよい。
生産者や販売者の思想などつけいる隙はない。

しかし、野菜を宅配便などで個人宅へ直送している農家は違う。
たいていの場合は、農家の思想がストレートに反映される。品物とカネ以外に人と人との接触が必ずある。
いや、それどころか、お客さんは野菜ではなく、農家の思想や人柄を買っているのではないか..そんなふうに思える場合すらある。
そういう事ができる生産者じゃないと、この手のやり方の農業は難しいと正直思う。

野菜の出来はそこそこだけど、他人を引きつける力を持っている農家と、野菜はよく出来ているけど、引きつける力の乏しい農家..前者の方が間違いなくうまくいく..と私は思う。

画像1 近所の方がシイタケ栽培農家へ行くというのでお願いして買ってきてもらった。日本でトップレベルの栽培技術を持つ農家との事。

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ohyakusyou2001の地産地消日記
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