板挟み
2004/08/28 (土)

どんよりした曇り空。
でも、雨は降らない。
収穫の終わった畑の鹿よけネットを片付ける。
何ヶ所か、ネットが噛み切られて穴が空いていた。タヌキか何かの仕業だろうか。

午後は、高さ2mにもなった緑肥、ソルゴーの刈り取り。
倒れてしまったので、とにかく大変。広さ約8アールの畑。8アール位で済んで良かった。
とりあえず刈り倒しておいて、乾燥したら裁断機で粉砕しよう。

夕方、防除。レタスにカッパーシンとランネート、サニーレタスにトップジンMとアファーム。

昨夜の無尽で、参加している無農薬栽培農家から珍説が登場した。
それは、無農薬栽培農家の人には、心を病んでいる人が多いと言う説である。むろん、冗談ではなく話をしている本人は至ってマジメである。確かに、最近、共通の知人の無農薬栽培農家が精神的に病気になってしまい、農業の世界から身を引いたばかりである。だから話に信憑性が増している。

その説によると、つまりはこういう事らしい。
有機や無農薬で農業を行っている人は、健康面以外にも地球環境問題にも取り組んでいる人が多い。
だから、自分が行う農業にもそういった面への配慮を取り込もうとする訳である。
具体的には、マルチを使わないとかビニールを必要とするトンネルやハウスを使わない等など..極端な人だと、化石燃料を使わない様にと、トラクターも使わない人も居るらしい。

さて、いくら環境のためにマルチやビニールを使わないといっても、作物の成育の面からはよろしく無いことが色々と起こる。例えば、マルチを使わないと、大きな芋ができなかったりとか、収量が十分に上がらないとか。トマトなどは雨よけをしないと、早く樹が枯れあがってしまう。

そういったものを出荷するとどうなるか..?

当然、お客さんからクレームがつく。
「サツマイモが小さい」
「落花生をもっとたくさん欲しい」
「まだ8月なのに、もうトマトが終わっちゃったの?」

真面目な農家ほど、こういったお客さんからの声と、自分が貫きたい農業のあり方の板挟みになってしまうそうだ。
で、この両者のすり合わせがうまく行かなかった人が、心の病にかかってしまうことがとても多い...

とまぁ、かの無農薬農家の方の説はこんな感じである。

私などは、まぁ「自分だけが無マルチで頑張ってもしょうがない」と思うか、「これで離れていってしまったお客さんはもともと縁が無かったのだ」と割り切って思うが、どうもそうできない人が多いらしい。全く、生真面目な人がいるものである。

もっとも、そういった生真面目な無農薬栽培農家の農産物は、キッチリとゴマカシ無く、無農薬、無化学肥料であることはうけあいである訳だから、本来はもっと歓迎されるべきであるのだが...難しいものである。

 
ohyakusyou2001の地産地消日記
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