神様とお話
2004/10/17 (日)

hare.gif 午後からコンサートなので朝2時間だけ作業。
神様とひそかに呼んでいるお方が現れてほんの少し立ち話。なぜ神様かというと,開墾していた頃,耕運機で耕してくれた。
彼は50歳位かな?(うんと若いようにも見える。)うちの西隣の水田の持ち主なんだけど,ある日,草ぼうぼうだった荒地がものの見事に彼によって耕されていた。その朝,初めて彼と挨拶を交わした。爺やの家には私が大学を卒業してから住み始めた。一家で引っ越してきたのだ。幼年時代から暮らしていたわけではないから,近所に友人はいないのだ。加えて仕事を始めてからも他所に下宿していたので正味2年間しか,そこで暮らしていない。
その爺やの畑を開墾し始めたのが1年前の10月末。母の7年忌の法要を自宅で営んだのを機に荒地に少しずつ手を入れていった。

とにかく,朝,その人と初めて挨拶を交わし,用事のため外出し,夕方帰宅して朝の仕事の続きをしようと荒地に出たとたん,もうもう腰が抜けそうだったのだ。見違えるようで。「えー!?」と大きな声。上げずにいられようか。足が,前に進まなかった。しばらくの間立ち尽くした。「ついでに機械,使っといたよ。」と後ろからの声に振り返ると,彼が機械を片付けているところだった。(彼の倉庫は爺やの家の東隣。彼の自宅はご近所。田舎特有の取り決めで爺やの家とは冠婚葬祭で準親戚のようなお付き合いをする間柄のようなんだな。2週間前,爺から聞かされて初めて知ったんだけど。)

その神様が,片づけが終わらず草ぼうぼうのエリアを指差して「あっちの方だけでも機械使ってやるよ」と言ってくれた。お願いしたいところだったが,ニンニクを植えつけてあることを話してお断りするしかなかった。あー,もったいない。
「全部手仕事やき,なかなかでけへんわのー。んでも,ようがんばっとるやん。せんせ(爺やのこと)にさせぇ。え?また,腰イタイ,足イタイ言うとるのんか。はっはっは。ほんだらなー。」と去っていった。

あ〜 爺やのナマクラぶりは辺り一帯に知られているらしいよぅ。

写真はズッキーニ。4株ダイナーを植えたが,この1株だけ,ずっと収穫が続いている。まだまだ小さい実も4つついていて,寂しい畑のなかの希望の星的存在。

初めに定植した白菜,軸だけになりつつある。今日,また植えたが,どうなるか分からない。
大根直播き。
コスレタスを定植しようとして土を掘っていたら,昨日はつか大根を埋めたタネを掘り返してしまっていた。いやん,バカッ!アタシったら!!サル以下の記憶力だわー。

お昼ごはんはお好み焼き。きのうのヤマイモをたっぷりすりおろし,牛すじ肉と煮込んで味のしみこんだコンニャクを小さく刻んで入れる。高値248円のキャベツを買ったのも,自家栽培ヤマイモ入りのお好み焼き食べたさのため・・・。ウマー!!よってキャベツ1個のこの出費,許す!

今日のコンサートは息子のピアノの先生が伴奏を務め,イタリアのアカデミーの芸術監督,マエストロの薫陶をうけたソプラノ2人が歌うというもの。
バカ息子が音楽高校進学を血迷った時,ピアニストの彼の奥様から長々と説得メールを頂いた。マエストロは今月,大阪でご自分のステージがあり帰国中。バカ息子がどうしても音楽高校を断念しないなら帰国の際,バカ息子と話し合うと言ってくださった。当たり前の価値観を形成した後,音楽に進むのならそれも良いが,日本の音楽教育に批判的な方で日本で音楽を勉強する意味に懐疑的。マエストロご自身,京大の経済を出られて商社勤務。その頃,3大テノールの一人,プラシド・ドミンゴが来日。ドミンゴを待ちうけ,「ぼくに歌のレッスンをしてください。」と強引にお願いしたというエピソードをもつ。ドミンゴは「いいですよ。」とあっさりOK.「あまり時間がない。近くにピアノはありますか?」と言うので,すぐ近くの学校に飛び込んで事情を話して音楽室を使わせてもらったのだそうな・・・。  才能は才能を見出す。才能は才能を呼ぶ。若きマエストロは仕事をやめ,オペラの稽古。渡欧。
学歴だとか,肩書きだとかに目は眩まないけれど,マエストロの話し声の美しさには目が眩んだ。オペラの稽古に私も日参した。私は歌う人ではないので見学するのみ。しかし,マエストロ自身が歌って教える様子に魅了された。毎日4時間くらい,夏休みに聞きに行った。私のほかに,もう一人,すっかり骨抜きにされた少年がいた。それがバカ息子である。大男のマエストロに,あたかも抱っこされたように写っている写真を大判に引き伸ばし,サインを入れていただいたものが額に入れられ我が家の玄関に飾られている。去年はオペラのステージに「ピエール役」で出して頂いたので,今もマエストロファミリーはバカ息子をピエールと呼んで可愛がってくださる。

今日は尊敬するマエストロと2ヶ月ぶりに再会し,肩を抱かれ,髪の毛をくしゃくしゃに撫でられて,バカ息子大喜び。
帰ってから「お前ねー,うれしいのは分かるけど,シッポふりふりしてるの,丸見えだったよ!」「あっ!シッポ,隠すの忘れてた!」という会話。
ほんとにアホの親子なんだー。

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michiの家庭菜園作業メモ
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