2010/11/26 (金)
利用者さんそれぞれに、家族があり、人生があった。 そこには様々なドラマがある。
私は最後のほんの短い時間だけ係わらせていただいただけで、 一概にその家族を責める事はできない。
昨年亡くなられた女性利用者さんがいた。 その方も、脳梗塞を何度か繰り返され、 寝たきりで胃ろう栄養摂取をされていた。 話す事も動く事もできず、たまにこちらを見ては、 「うーーー」と言うだけだった。 その利用者さんの面会には、長男のお嫁さんしか来なかった。 長男はすでに亡くなっており、次男はいるが、 「お金払ってるんだから施設で面倒見るのが当たり前だ。 自分は母がどうなろうと、もう知らない。」 と言って、最後まで面会に来なかった。 お嫁さんにとっては、旦那さんのお母さん。 その旦那さんもいない。 しかも、話を聞くと、かなり嫁いびりをされたらしい。 「あんたなんか死んでしまえ。」 とも言われていたとか。 そのお嫁さんが、どんな思いで話す事のできなくなった寝たきりの姑に会いに来ているんだろう。 いつも30分ぐらい、じっと義母の顔を見つめ、 たまに私達に、 「私、すごく母にいじめられていたんです。きつい人でした。」 と言って帰って行きました。
最後まで、そのお嫁さんしか面会に来なかった。
ある人は、家族が施設に押し寄せ、 「実印を母が隠しているはずだ!」 と、部屋を探し回って帰る。
ある人は、毎回面会に来るたびに、 「だんだん悪くなっているけどどういうことだ!」 と、文句を言いう。 特養の施設に入って状態がよくなるって事はまずないのに。 衰えて亡くなって行く場所だっていう事を理解していない家族が多いのに驚く。
中にはすごく低姿勢で感じのいい家族もいらっしゃるけど、そのほうが少ないかも。
最近亡くなる人が多く、部屋が空くとすぐに違う入所者さんが入ってくる。 まあ、入所待ちの人も結構いるし、当たり前なのだけど、 なんだかなぁ・・・・ と、思ってしまうんだよね。
また、新しい人生と家族を垣間見る事になるのでした。
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