今日は浅草の三の酉。
酉の市といえば、子供の頃を思い出す。

下町で商売をしていた我が家は、
毎年必ず家族で歩いてお酉様に行き、
前年の熊手を収め、
新しい熊手を買うのだった。

その年の店の売り上げによって、
熊手の大きさが変わった。
前年度より売り上げが多ければ、一回り大きな熊手。
売り上げが少なければ、少し小さいのを選んでいた。
それが我が家の決め事だったのか、
一般的な風習なのか、定かではない。

毎年買う熊手は、私が小学生の頃は
少しずつ大きくなっていき、
最後には１０万円もする熊手を買っていたのを覚えている。
買う熊手が決まると、「よーお！」という掛け声の下、
お店の人と、私達家族全員で
三三七拍子をする。
それがとても楽しくわくわくする瞬間だった。

熊手を持って帰るのも結構重い。
持って帰るとき、すれ違う人たちが我が家の熊手を見て、大きい！と、驚くのが嬉しかった。

そのうち熊手を買わなくなり、
商売もあまり上手くいかなくなり、
潮時になってしまったのだけれど、
酉の市と聞くと、思い出す。

三の酉まである年は火事が多いらしいので、
皆さん、気をつけましょう。