アレンジメント
2009/08/23 (日)

kumori.gif 少し前の日記に書いたことがあるが、週一回しか行けない畑で出た雑草などはゴミの集配日には出せない。昔は自宅まで持ち帰っていたが、この1年は近所のおばさんが、出してくれていた。そのおばさんは近所ということしか知らず、こちらからも突っ込んだ話をするわけでもなく、本当に普通に短い会話をしていただけだった。収穫があればおすそ分けをしたりもしていた。あるときゴミは集配日に出しておいてあげるからという言葉に甘え、庭の隅にビニール袋をおいておくと翌週にはその袋がきれいになくなっていた。その後、おばさんと会ったときの会話は、よくやるね〜またゴミ出しておきなよ。という張りの良い声で畑の私に声をかけてくれていた。

今年の夏はそのおばさんの顔を見ることもなく、何よりゴミ袋が翌週になってもそのままになっていたので気になっていた。畑からかえってきて家内には今日も会わなかったと会話する日々が続いていた。
雑草の入った袋も最近は持ち帰ることが続いていた。

今日は朝からシソの撤去。いんげんの収穫。いんげんはだいぶ葉も枯れかけているが、それでも袋一杯は収穫できる。そういえば、苗を植えた時おばさんが通りかかり、今年はいんげんを植えたので収穫したら持っていって・・と声をかけて以来、会っていないなあと思いながら、作業を続けていた。ふと顔をあげると見慣れないおじさんがにこやかに立っている。畑では知らない人からでも話かけられることも多く、笑顔で応対する。ことにしている。いつも家内がお世話になっていて・・ってよくよく聞いてみるとおばさんの旦那さんであった。聞けば3ヶ月前から入院しているという。とっさにいんげんを渡し、もっていってくださいと私。でも病院だから持って入ってもおじさん。そりゃそうだよね。ということで帰りに家に持って帰ってもらうことで庭にテーブルにおいておくことにした。

それから黙々と作業を続ける。ゴーヤはこぼれた種からのものだが、気がつけば葉は相当茂っている。よくみれば・・あるわあるわ合計で大小10本ほど。気がつけば12時、そろそろ作業を終わろうか。おばさんのお見舞いに行こうか?でも名前もしらないんじゃ・・と思っていたら、さっきのおじさんとまた会う。同じような会話をしながらいんげん、ゴーヤをおすそ分け。そこでやっと名前をうかがうことができた。

おばさんが入院している病院はじいちゃんが入院していた病院だった。3年ぶりに病院の中に立ち入る。毎週の畑仕事の前は毎週病院通いだった。相変わらずきれいである。少なくとも1Fは明るい日差しに、ベンチ、コンビニ、花屋・・と病院とは思えない。でもそこにいる人は点滴をつるしていたり・・でやっぱり病院。花屋に立ち寄る。いんげんと小さなゴーヤを手にしていた。おばさんに見せようと思ったから。ふと思い立つ。これをアレンジメントに中に入れてもらえますか?

20分後、見事?なアレンジメントを手に私は入院病棟に向かっていた。

 
じいちゃんの畑
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