祈る
2005/08/11 (木)

都会に暮らしていた頃は、
神や仏は関係なかった。
人間が造り出した文明の中で、人間同士の係わりを中心に生活が回っていたからだ。
信じるのは、自分の能力や努力であり、
どうにかなるように頑張ることで、どうにかやれていたのかもしれない。
思いがけないことと、思い通りにならないことは「運」で片付けていた。

ここに越してきた夏、記録的な豪雨に遭った。
一年でベスト5に入るほどの烈しい雨が、
信じられないことだが、一日中、何日も降り続いた。
70年生きてきて初めてだ、と隣のばあちゃんが言った。
川がいつもの何十倍にも膨れ上がり、10メートルも水位が上って何もかもを呑み込む濁流になった。


祈るしかなかった。
祈るしかなす術のないことがあるんだと実感した。

野菜を作り始めたら、
なかなか人の手の及ばないことだらけで、
毎日のように、雨よ降れ、虫来るな、テントウムシはきていいけど、暑くなるな寒過ぎるな、と祈ってばかりだ。
それでも、祈ることが身についてきたのだと思う。
(いや、祈ってるだけじゃなく、いろいろ努力してますってば)

友人の病の知らせを受けた。
遠く離れているので、何もしてあげられないとやきもきしているのだけど、
とにかく祈ろう。
来週の手術が、無事終わりますように。
大きな災害や、人の波に揉まれ、それでもしっかり前を向いて乗り越えてきた彼女だから、
今度もまた背筋を伸ばして戦っていくんだろう。

とにかく、祈ろうと思う。

i0 (1) 夕陽の波長が免疫力をあげるんだそうで。
去年の秋の空だけど、
豊作で、稲刈りの終わった安堵感も満ちていて
縁起がいいはず、だ。
(2)
(3)
 
百姓一記
[ホームに戻る] [今日の日記へ] [この日の日記へ]