2004/01/07 (水)

新婚の初々しい頃。
実家にのっそり入ってきたじいさんがこう言った。

おーはーーよぉーがんす

がんすの響きに圧倒されて(生まれてはじめて聞く言葉だったからね)まじまじと見ると
五分刈りの頭もヒゲもごま塩だ。
腰のベルトは縄だった。
古き良きものを伝統や文化などと言う言葉で置き換えるなんて、新しい人のそらっぺーだ。
じいさんにとっては言葉も格好も「今」が延々と続いているのであって、ありのままに生きているだけだ。
その確固たる生きざまには流行なんて入り込む隙はない。

がんす を何のてらいもなく使いこなせる稀少な人が今日空に上りました。
たっちゃん、ありがとう。

古いと言えば
暮れの餅つきのとき、実家の義兄が味噌屋から引っ張り出した古い海苔のビン。
「昭和52年 蜂みつ」
昔和蜂を飼っていたんだって。
それにしても古い。コールタールのように真っ黒だ。
見せるだけ見せて捨てる予定だったらしい。
でもね、匂いは悪くない。なめると甘いなんて一言では片付けられないコク。(黒糖系の甘さ)
捨てるのに待ったをかけて、漉してみる。
上澄みは苦味が残るが、下に沈んだ固形のところは確かな甘さ。
さあて、何に使おうか。アイディア募集中。

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百姓一記
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