神様
2004/01/04 (日)

お正月は神様様々だ。
普段埃にまみれたままの神棚もスキッと拭き清められ、
お供えは一年の実りのもの盛りだくさん。

家の外にも氏神、畑、井戸、それから台所やトイレにも。神様はたくさんいらっしゃる。
元旦が明けてから朝晩に雑煮やご飯をお供えし(便所神様は除く)、下げたものを三ヶ日分全部とっておいて
4日の朝、餅入りおかゆにして家族がいただく。
神様からのおすそ分け。一年の健康を祈念する。

いつもいつもは意識していないけど
お正月には「神様に守られている」と実感できる。
このおかゆを食べると、新年を厳粛に(と言うか穏やかな気持ちでかな)迎えることができる気がする。
さあ新しい年っ。

今年の抱負でもと思ったが、耕地で急にお葬式ができた。
たっちゃん 86歳。おつねさんの連れ合いだ。
一緒にお茶を飲んだり、作物を採ったり、
「ふぉっふぉっ」と笑いながらいろんなことを教えてくれた。
栗の花が咲いたら、大豆を蒔く時期。
ジャガイモの芽が出たら土をかけろ。
大根の霜よけ、とうもろこしの蒔きかた、イチゴの株分け・・・。
ヒゲ面と禿げ頭をつるんとなでる大きな掌を覚えている。
耕地では一番の年寄りだし、畑にも出ないで一日中日向ぼっこしている最近の姿でもういつお迎えが来てもおかしくないと思っていたけど、
小さく硬くなってしまったおでこを撫でたら 冷たくて 涙が出た。
もっともっと教えてほしいことがあったのに。
周りのじいちゃんやばあちゃんがこれから一人ずついなくなるんだ。覚悟しなければ。

たっちゃんの守ってきた井戸で、たっちゃんを送る準備の野菜を洗う。

 
百姓一記
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