| 2004/04/11 (日)
「父は仕事が好きでした。畑はどうなっている?といつも…いつも気にしていました。」
一周忌で、当主の跡取り息子さんの挨拶。 桜のころ、果樹は一斉に芽吹き始める。 剪定はだいたい済ませたか、最初の消毒を終え機械の 調子は大丈夫か、受粉用の蜂はうまく巣立ちそうか、 などなど気にされていたことだろう。
「命燃え立つ季節が来るというのに…」と、つらく思われていたのだろうか。 それとも春の畑を思うときには痛みも和らいでおられたか。 …春の畑。どんな形でも、希望をそこに見ておられたはず、と思いたい。
法事では農事も大事な話題だ。今年はどんな調子だと言い合いながら、それぞれ自分の仕事を確認しているみたいだ。それはまるで、いつか土に帰ることをおおらかに受け入れようとしている振る舞いなのかも…。かつて亡き父はこうした中で生きてきた。そして私も父に代わって沢山の法事を経験しながら、いつか帰る土を感じ始めている。
家父長制度とともに引き継がれてきた農耕地。家父長制度が実質的に壊れさった現代、 どうやって次の世代に農耕は引き継がれていくのだろう。 春の畑に心躍る人たちが、もっともっと増えれば、日本の農業や食文化はきっと生まれ変わることができる… …ああ、そうか! 借りている農事日誌にあふれているそれぞれの熱意が日本を救う新しい力なんだ…などなど思いながら、車を走らせて帰る。
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