にんにくの効用
2018/08/15 (水)

西山信好
1998年に開催された「にんにく国際会議」で、東京大学薬学部の西山信好准教授(当時)は、「にんにくは脳の萎縮を抑え、学習能力を高める」と発表。学習能力の向上と、脳の萎縮を抑制する作用がにんにくにあることをつきとめた。こうした脳の働きを高めるにんにくの有用成分は、アリインが変化してつくられるS−アリルシステインなどのイオウ化合物であることがわかっている。

ジアリルジスルフィド(DADS)は、ジアリルトリスルフィド(DATS)とともに、アリインがスルフィド類に変化して発生するスルフィド類のひとつ。二硫化アリルとも呼ばれ、黄色みを帯びた水に溶けにくい成分であり、にんにく特有の刺激臭を有する成分のひとつでもある。肝臓の解毒作用を強める作用や、神経細胞を酸化ストレスから保護して正常な機能を維持する作用があることがわかっているほか、活性酸素を除去してガン細胞(特に大腸ガン)が出来ないような良い環境を作り出す。このジアリルジスルフィド は、にんにく料理を食べた後でにおう口臭の主な原因物質である。

S-アリルシステイン(SAC)
生にんにくを切ったり、すりおろしたりしたときにアリインから生成されるアミノ酸の一種で、現在のところにんにくだけにしか発見されていない成分である。人間の体内にあるガン細胞を攻撃するNK細胞(ナチュラルキラー細胞)の働きを助け、特に大腸ガンの予防に効果を発揮する。大腸菌や糸状菌、胃ガンの原因となるピロリ菌などの毒素の中和・繁殖を抑制する働きも持つ。また、水溶性のため腸内で吸収されやすく、血液の中に入り活性酸素が悪玉コレステロールと結合するのを防ぎ、動脈硬化の予防も期待できる。SACは、生にんにくを熟成させる過程で増大することがわかっており、にんにくの酢漬けや味噌漬け、醤油漬けなどにすると効率的に摂取することができる。

 
植える花夢流・花と健康野菜作りに挑戦
[ホームに戻る] [今日の日記へ] [この日の日記へ]