2012/03/05 (月)
いまさら、と言われそうだが吉村昭さんの「高熱隧道」を読んだ。 文庫本の初版が昭和50年、平成23年がなんと55刷である。 「黒部の太陽」で有名な黒四ダムではなく、昭和15年完工となった黒部第三発電所の隧道工事だ。 工事は困難を極め、160度を超す岩盤に、自然発火が40度とされるダイナマイトを装填。 作業者は、背後から放水を受けて作業、それでも火傷は免れない。 さらに泡(ほう)雪崩によって一部コンクリート製の宿舎が600mも対岸に吹き飛ばされる。
(泡雪崩の記述は小説とは異なるらしい)
死者300人を越す熾烈な工事だった。 作業者はもちろん、監督者、技師、の苦悩が脚色を感じられない文章で書かれている。
忘れられない一冊となった。
明日は、予定通り決行ですよね。
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