Ａ市とでも呼んでおこう。どうしても行きたかったレストランがあった。アフガニスタン料理の店である。東京の神田とＡ市にしかないようだった。自宅からはＡ市の方が近い。インターネットで場所を調べて出かけた。ディナーは５時からとなっていた。最寄駅に着いたのは５時過ぎだった。少なくともＡ市の中心駅だからもっとにぎわってもよいはずであるが、休日にしても人通りはまばらだった。しかも南口に出ると、実に閑散としていた。パチンコ屋が駅前に１軒あるだけ。それもにぎわっているんだかどうだか外からはまったくわからない。人の出入がないところを見ると、はやっているとはいいがたい。パチンコ屋の前の通りを歩いていく。すれ違う車はどれもいわくありげな車ばかり。エンジンをむりやりふかすようなあんちゃん風の車ばかり。かったるそうな野郎が乗っている。パンツをずりさげたまま降りてきて、自販機で飲み物を買った。
　見たくもない光景を素通りして目的の店まで徒歩厄分。たしかに看板はでていたが、戸はしまったままだ。定休日ではないし、ちゃんと５時からと載っていたにもかかわらず、閉まっている。つぶれたか？いやそんなことはなさそうだ。これは勘でわかる。結局１５分待っても店は開くことはなかった。すごすごとあきらめて帰ったのだが、あまりにも印象が悪く、２度と来ようとはおもわなかった。
　なにごとも印象は大事である。