今日は朝の内まで雨でした。

日中も晴れ間が無く、肌寒い一日でした。


以前、紹介したブルーベリー栽培新理論ですが、手直しされて発表されました。
メインはクロロシス理論となっています。

一部を紹介しますが、彼は一栽培者であり専門家では有りませんが、私にはうなづける事も多く、出来れば皆さんで検証していただければと思います。

ではここから。

■クロロシス・葉焼け理論説明■


定説ではクロロシスの原因は鉄不足、あるいはマンガン不足とされております。また葉焼けは水不足、あるいは強すぎる日差しが原因とされてきました。

今回の理論ではこの定説は間違いで正しくは以下の様になります。

・クロロシス＝細胞質内2荷陽イオンとリン酸イオンのバランスが崩れ、　相対的にリン酸イオンが足りなくなっている状態

・葉焼け＝細胞質内2荷陽イオンとリン酸イオンのバランスが崩れ、　相対的にリン酸イオンが過剰になっている状態

2荷陽イオンとはどんな物を指すかというと、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、アルミニウムイオン（アルミニウムは3荷ですが性質上2荷と一緒に扱います。）、鉄イオン（鉄は3荷イオンになる事もありますが生体内なので2荷イオンとして扱います。）、亜鉛イオン、銅イオン、等があります。


これらの2荷陽イオンはリン酸と結びつくと不溶性の固体になります。つまり殆ど電離しないで植物体内で化学的活性を失う性質があります。
この状態がクロロシスです。

つまりクロロシスの原因は一つの成分だけで決まる訳ではないのです。有機肥料を与えてクロロシスになった場合、リン酸の量より2荷陽イオンの方が多く取り込まれたと考えて下さい。例えば牛糞はマグネシウム（2荷陽イオン）が多いのでクロロシスになりやすいと言えますし、鶏糞はカルシウム（これまた2荷陽イオン）が多いのでやはりクロロシスになりやすい訳です。

クロロシス治療法はリン酸を吸収させる事です。そうすると2荷陽イオンにくっつかれて動けなくなったリン酸の不足分を補えるので、新しく吸収されたリン酸が代わりに生化学反応を担ってくれる様になります。


葉焼けの場合は反対です。2荷陽イオンに対してリン酸が過剰になります。すると余ったリン酸が悪さをして2荷陽イオンとくっついて安定化しようとします。この時リン酸が主に選ぶ陽イオンがマグネシウムイオンです。マグネシウムイオンは葉の中で葉緑素を構成しているのですが、リン酸イオンが葉緑素から無理やりマグネシウムイオンをむしりとってリン酸マグネシウムになろうとします。これが葉焼けの原因となります。（紅葉も同じプロセスでおこります）
この場合はマグネシウムを補給してあげると治す事が出来ます。



クロロシスの原因として、今まで定説だった鉄不足・マンガン不足。

確かにマンガンは生体内ではマンガン酸という陰イオンとなり、2荷陽イオンと結びつく事によりクロロシスが緩和される事はありますが、リン酸不足というのが直接の問題ですのであまり大きな期待は出来ません。それに植物体内のマンガン必要量はそれ程多くありません。微量元素ですから必要量はあくまで微量なので大きな問題では無い。

それより大きな問題は鉄。
鉄にはクロロシスを悪化させる更なる別要因があります。
ブルーベリーの茶根の正体は酸化鉄であり、茶根は窒素分以外の肥料分の吸収や排出を妨げ、必要とするリン酸が吸収出来なくなります。

（ここまでの話で、うなずける事が有ります。
今年マグアンプFeを使った小苗に今まで経験した事が無い、ひどいクロロシスが出た事。
畑のチップに牛糞堆肥を使ったのですが、こちらも多くの苗にクロロシスが出た事。
堆肥のみで育てているホームベルにもクロロシス(こちらの症状は軽い)が見られる。　　ｂｙ　ｔｏｍｏ）

現在ひどいクロロシスを治すことは難しいので、予防が大切になります。

クロロシスになりそうなのを見つけて対処します。
具体的には、クロロシスになりやすいのは伸び止まった先端の葉が他の葉より小さい場合です。

ブルーベリーの場合、葉の大きさはリン酸で決まります。リン酸が多いと葉が大きくなり、窒素が多くなると葉の枚数は増えますが大きさは逆に小さくなります。上手に育てるコツはずばり、葉が大きくなる様に育てる事に尽きます。与える窒素とリン酸の量を個別に調整すると上手く育てられます。葉の小型化と色の薄さはクロロシスの前兆です。
窒素を控えリン酸カリウムを与えてクロロシスを防ぎます。
ただしリン酸カリウムはアルカリ肥料なのでpHが上昇しますが、治療の為には必要です。


葉焼けの治し方

葉焼けよりのグループには
窒素は与える、リン酸も与える、2荷ミネラルも与える
＝何でも与える。（すなわち有機・無機、関係なく何でもOK）

え？葉焼けってリン酸過剰じゃなかったの？
そうなんですが、マグネシウムだけを与えると今度はクロロシスになってしまいます。
葉焼が治って来たら、リン酸を与えてクロロシスを防ぐ。

（リン酸過剰と言うよりマグネシウムが足りないと考えた方が良いのかも。by tomo）


以上一部を紹介しました。

詳しくはヤフーオークションにこの理論と共にこれらの肥料が出品されていますので、そちらをご覧下さい。

http://page4.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/d78157752