秋播種購入とオーバーヒート
2010/09/02 (木)

しばらく雨が降る様子もない中で、秋播きの種はいつになったら播けるのか見通しも立たないが、発芽率が落ちている手持ちの古い種を一掃して新しい種を揃えておこうと、飯能の野口種苗に向かった。以前の駅前商店街に店があれば電車で出かけたのだが、2年ほど前から町の外れに構えを移しているので車で向かった。
大きな渋滞のストレスもなく一般道で一時間ちょっとで飯能市内に着いた。ついでにお土産も買って帰ろうと、四里餅(しりもち)を買ったところまでは順調だったが、店を出て車のエンジンを掛けてすぐ冷風が出ていないことに気づいた。あと1〜2kmで野口種苗の地点、ウィンドウ全開で、町外れというより山の中にある店に到着。

店主に相談しながら14種を購入。一度にこれだけ買うのは初めてかもしれない。ひとしきりこの夏の暑さを嘆いてきた。「今年の夏は異常ですよ。日本中そうなんだから。」と野口さんが慰めてくれる。「種は買っても、雨が降らなきゃ播けないし。間に合うタイミングで播けるといいんですがね。」と言うと、「今年ばっかりは分からないですね。」意味なく甘い見通しを言わないところがこの人らしい。

帰り道に寄りたいところもあったが、「エアコンが切れると直後にオーバーヒートの可能性もある」と聞くので、高速を使って一気にいつものT社ディーラーに行くことにした。窓を開けたまま、"やや"スピードオーバーで無事到着した。このディーラーは私の車のメーカーとは違うが同じ系列店で、純正品でのメンテナンスをやってくれるし、何よりわが家から至近の距離にあるので重宝している。
いつもとは違う担当者が出てきて、ひとしきり症状を聞いていった後、30分近く待たされた。ところが返事は「車を預かっても、一時間かけて原因が分かるかどうか分からない。正規ディーラーの店に行かれた方が。」というつれない返事だった。「冷却ファンが回っているかどうか見てほしい。多分ヒューズ関係だと思う。」という私の申し出に、ボンネットを開きもせずのこの言葉に、思わず逆上してしまった。大きな声こそ出さなかったし、言葉を荒げることもなかったが、この担当者君と会話するのもうっとうしくなってほとんど口もきかずに店を後にして、その正規ディーラーに向かった。JR駅で4駅先にあるディーラーとの中間点で大きなウォーニング音がして、インパネにはSTOPの文字。水温計も最高値を指している。やむを得ず路肩に停車した。
ディーラーに事情を説明して、JAFを呼ぶ。久しぶりの救援依頼。暑い路上で待つこと40分。JAFにも事情を話してあったので、「下手に応急処置をするより、ちゃんとした工場に運ぶ方が間違いないですから」と最初からレッカー車で来てくれた。運ぶ途中「今年はオーバーヒートに加えてバッテリー上がりが多いですねぇ。昔の車は騙して使えましたが、最近のコンピューター制御の車はそうはいかないですから、その分救援依頼が多くなりますねぇ」と話してくれた。

かくして正規ディラーに車は持ち込まれた。担当者はメンテの履歴を見ながら「これまで丁寧にメンテされているので、大きな不具合があるとは思えないが、修理以後に不具合があっても困るので、きちんと見させて貰います。」という。応急処置で済ます訳にもいかず、代車も用意できないというのでやむなく電車で帰ってきた。店を出て40分後にかかってきた電話で「原因は電源部近くが高熱のために、一部ヒューズが切れたうえに−(マイナス)系の配線が溶けてしまって、冷却ファンが回らなくなったことによるもの。修理は部品が届く翌日夕刻。見積額は3万5千円。」だという。いきさつと電話の内容に、心身ともにへとへとになってしまった。

夕刻、最初の店の担当者からお詫びの電話があった。「先ほどはすみませんでした。明日時間を空けて点検させていただきたいと思いますが。」との言葉に、「他の店に行けと言っておきながら、何だその言いぐさは」という言葉をグッと呑み込んで、「いや、結構です」とだけで切った。最後まで疲れる一日だった。

   *   *   *   *

<購入した種>
子安三寸人参  明治渡来の米系が東京で改良された。
高農真紅金時  鮮紅色早生系
タァツァイ     中国華中原産。昭和初期渡来。別名如月菜。
チンゲンサイ   華中華南原産。
松島新二号白菜 大正時代中国のチーフー白菜を宮城県松島で改良。
ノンクーラ玉葱  ナント種苗吉川氏が育成、1984発表。長期保存に向く晩生種。
赤たまサラダ   ナント種苗改良の丸型赤玉葱。中生。
あかね法連草  山形在来種の中から特に根の赤く甘いものを選抜固定。
宮重総太大根  青首の元祖。室町頃には存在していたと思われる。
時なし大根    1810頃藤七大根の名で販売したのが起源。
中之条ねずみ大根 長野県坂城町中之条で数百年受け継がれてきた。辛味用大根。
ふだん草     病害虫に強く年間栽培容易。別名唐チシャ。
スナック豌豆   米生まれ。サカタの品種登録期間は1996年終了。
大浦太牛蒡   千葉県大浦町原産。江戸以前から新勝寺に奉納され、美味なことが全国に知れ渡った。

 
縦振屋精兵衛菜園残日録
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