友を見舞う
2010/08/25 (水)

昨年春入院先で頭部を強打してくも膜下出血を起こし、手術は成功したがその後意識が戻らないままの友を見舞った。事情があって長い間見舞いが遠のいてしまって、その後の事情も分からぬままだったので、私と同じように疎闊になっていたNさんを誘った。
ご子息の「恐らくこのまま意識が戻ることはないでしょう」という言葉に少し疑いを持ちながら、というより淡い期待をしながら病院を訪ねた。
友はすっかり細く、しかも固くなった体をチューブで繋がれていた。ところが、思いのほかふっくらとしたという形容は正しくないのかも知れないが、ふくよかに見える顔は穏やかそのものだった。ただ、手術以来その目蓋が開くことはなかったし、呼びかける言葉に的確な反応もなくて、既に1年以上がたっている。
時折、いやかなり頻繁に、まるで子どもが夢を見ながら微笑むような表情を見せる。思わずこちらもつられてしまうが、家族にはそれが辛いという。元気なときに散々ヤンチャをやらかしてきた友は、還暦を過ぎて赤ちゃんに戻ってしまったのかも知れない。

 
縦振屋精兵衛菜園残日録
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