早朝7時5分、義父永眠。享年93。最期はカミさんと私が看取った。病院関係者もいない静かな病室で、呼吸がとまり、心拍音が緩やかになって、やがて音が消えた。「止まったね」と私。無言の彼女。看護師が戻るまでの数分、二人とも言葉を発せず静かに送ってやった。義父の人となりには、家族も親戚も知人も義父に関係した人はそれぞれに含むところがあるような人だった。彼の人生の中の喧噪をよそに、今朝は意識を戻すこともなく静かに息をひきとった。