精兵衛独言
2006/02/03 (金)

この日記のタイトルのネタにした小説の作者、藤沢周平氏の「周平独言」を読み直していたら、あとがきに次のような一文があった。
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「大体小説を書いている以上は、さほどの中身もない私の人間というものは、いやおうなしにそのまま小説に出て来る。そのことは小説で暮らしの糧を得ているからには仕方ないことだと思う。だがエッセーとなると、その内容浅薄な私なるものを、さらに楽屋裏まで披露するようなものではあるまいか。気取ったところで仕方なかろうとは思うものの、恥の上塗りという気がしないでもない。」
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何という謙遜であろうかと思うと同時に、菜園の記録代わりにと思って始めたこの日記に、とてもエッセーとは呼べない「もどき」の文章を書き殴ってきた私に言われているような気がして、何度も読み返してしまった。とても人様にはお聞かせできない話は、幸いにもここには書いてはいないが・・・にもかかわらずである。真実を書きながら、恥の上塗りと言われないような生活を送らなければいけない・・・と、別に反省している訳ではない。

 
縦振屋精兵衛菜園残日録
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