勤めが終わったのが午後二時だったので途中で食事をした。よく見かける地元のおばあさんがきていた。テレビは新潟の地震の事をやっていた。食事を済ませてから畑に行く。荷物を下ろしていたら隣の畑の主の農家の人がトラクターを乗り入れていた。
こちらは三つ鍬の原始農法だ。
耕していたら
「細川さん何を植えるの？」
の声にふりむくと
染谷さんというおばあさん。同じ畑を借りている地元の方。ほうれん草や大根の話をした。日本ほうれん草が一番いいと言ってくれた。その話は知っていた。
おばあさんが家に帰ったあと
トラクターで一通り耕した先ほどの農家の方が
「何を植えているんだい？」
と声をかけてきた。
「そら豆です」
「そら豆？」
「讃岐の郷土料理のしょうゆ豆を作るためにえす」
「おたくはどちらの出身ですか？」
「四国の香川県です」
「四国ってお遍路も見かけるの？」
「実家の田んぼの前が遍路道なんですよ」
と話が弾みました。