2012/04/11 (水)
思ったより、雨が降らなかった。 グライ層ばりばりの畑でも、まだあまりぬかっていないかもしれない。でも、いずれにせよ、明日は土を動かせないな...
明日、提出期限のレポート作成。DDTについて。 ここをご覧の方には、もう説明は必要ないと思う。 色々調べていたら、DDTの歌 というのがあったので、メモ代わりにコピペ。 小学校などで歌われたそうだ。 終戦直後より、あまりにも無頓着に使われたDDT。 それを戒めたのが、例の有名な本 「沈黙の春」
よく勘違いされるが、この本は「農薬を使うのをやめましょう」と言っている本ではない。 DDTは生物濃縮されるので、もっと気を遣って使いましょう、少なくとも農薬としてそこらにばらまくことは止めましょう..と言っているに過ぎない。 著者は、同時に農薬は環境に蓄積しない化合物を使うべきであるとも述べている。
日本での初版は、実はタイトルが違い「生と死の妙薬」 同じ薬でも使い方によっては、生も死ももたらす..という意味に私はとったが、こちらの方がよほど彼女の真意をくみ取ったタイトルではないかと感じた。
この出版を受けて、日本は比較的速やかにDDTの製造、販売をやめてしまった。 DDTは大変安価な殺虫剤であり、途上国でマラリア蚊の防除に使われていたが、それも止まってしまい再びマラリアやデング熱が蔓延。 万人単位の多数の死亡者を出してしまった。
筆者は生物学者であるので、恐らくこういった事態が予測できたのである。マラリア蔓延防止のために使用されていたDDTまでもを使用禁止にするのは、彼女の意図したところではなかった。
が現実は違った。 高まる世論を受けて、農薬用のみならず、防疫用のDDTもひっくるめて製造・販売が停止されてしまい、多大な死亡者を出してしまった。
日本の農薬関連会社の社員が、この頃訪れたある発展途上国で、先方の大臣より日本がDDTを製造中止したことを激しく責められたと回想録で述べている。 当然である。自国に再びマラリアやデング熱が蔓延し、国民が目の前でバタバタと倒れているのである。 一方、DDTで死んだ人はいない。
筆者は出版後、ほどなくして癌で亡くなっているが、もし、ずっと存命だったら発展途上国で人々がマラリアで死んでいく様子を、どのように見つめたのだろうか... 誤解を恐れずに言えば、出版後程なく亡くなったことは、彼女にとって幸運なことだったのかもしれない。
いずれによせ、人間はDDTをあまりにも無頓着に使いすぎた。 DDTは蓄積性はあるにせよ、さしたる毒性を示さなかった事、発がん性が無かった事は非常に幸運であった。 沈黙の春が、先駆けてこうした面に警告を発した功績は間違いなく大きい。 だが、残念ながら当時の人も(そして恐らく今の人も)彼女の警告を正しく受け止める事ができる人はあまりいないようだ。
DDTの歌
チン チン チフス 発疹チフス みんな嫌いだ 大嫌い お閻魔(えんま)さまより なお嫌い そこで撒(ま)きましょ DDT DDT
ノンノン ノミも シンシン シラミ みんないないよ もういない おもてで元気に あそべます お礼をいいましょ DDT DDT
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