2011/11/29 (火)
先日、放送されたNHKのこの番組。 シリーズ原発危機 安全神話 〜当事者が語る事故の深層〜 http://www.nhk.or.jp/special/onair/111127.html
「深層」は実は「真相」の意味も含んでいるのではないかと思える内容でした。
当初、建設ありきでむりやり作り上げた原発神話。 最初の目的は地方自治体や住民を納得させるためのものでした。(でも、お手本であったアメリカの安全対策のいくつかは日本では難しいといって導入されなかった。これは完全に当時の関係者の怠慢)
しかし、関係者は次々自らが作り上げた神話にからみ取られ、必要な対策が打てなくなっていきます。そして最後にはきちんと物事を正面から見据える事すらできなくなってしまう。その結果の今回の事故。
これを見ると、実は今回の福島原発の事故は、実はすでに原子力関連の事業がスタート地点から間違っていて、起こるべくして起きた事故という印象を強くしました。
間違っていたというのは、国や電力会社だけでなく、国民もです。 誰でも分かる通り、絶対に安全な機械はありません。 原発も同じです。 しかし国民が100%安全な機械を求めた結果、100%安全という空虚な建て前で事業を推し進める方向へ仕向けてしまった...
そんなストーリーが読み取れました。 その過程で、原子力村内部では一部の関係者はあきらめ、一部の人は現状を打破しようともがき苦しみ現状を改善しようとしましたが、安全神話が神話ではなく、徐々に事実として広まっていく。
もう最初から「絶対安全」をうたってきましたから、 いまさら「やっぱり、こういう条件の時はホントは危ないんです」なんて言えるような状態ではなくなっていく。
やや大げさな言い方をすれば、安全神話の創出に国民も実は一部荷担していた訳です。
荷担は大げさとしても、関係者の原発の安全に対する議論を封じ込める圧力にはなっていたでしょう、間違い無く。
今でも実は、他の分野で同じストーリーが多く繰り返されているのですが.....
教訓:危ないものは危ないときちんと言おう。絶対安全 100%安全の言葉の裏には必ず何かが隠されている。
ネットを見ていたら面白い意見がありました。
「今後の原発は大都市近郊につくるべき」
もし、お台場に原発を作るとなれば、原発を作る連中も、そしてその電気を使う連中も、安全対策や省電力対策を必死で考えるだろう。 このようにして、身をもって技術を磨くべきだ..という事のようです。
うーむ、これは面白い。
|