2010/10/15 (金)
パワースポットとか、スピリチュアルというものには全く興味が無いのですが、今日は戸隠高原へ行ってきました。 戸隠高原は、昔から好きな場所で、今からさかのぼる事20年以上前より、度々訪れていた場所です。
仕事で疲れたとき、精神的に行き詰まりを感じた時などに訪れて、四季折々の自然に触れ、神仏の厳かさを感じ、そして心癒やされて帰路につく..二十数年前はそんな事をやっていました。
その頃の戸隠高原は、まだ訪れる人も少なく静かな場所でした。 どうしてこのように魅力のある場所が、こんなに注目されないのか不思議に思っていましたが、反面、あんまり人が訪れてほしくないとも思っていました。
ところが、今日行ってみたらどうでしょう。 パワースポットなる場所に選ばれた(だれがどういう理由で選んだか知りませんが)おかげで、もの凄い人です。 平日でこれですから、週末はもっと酷いでしょう。
以前、しばしば訪れていた鏡池。 人工の池ですが、写真に撮られる事を第一条件にして考えたとしか思えない場所に作られています。 この場所、前は写真を撮る人がパラパラと訪れるだけでしたが(しかも写真を撮る人は日中は居なくなる)、今日訪れたらものすごい人。
奥社へ続く参道の途中に随神門という門があります。 この先、奥社方面への杉並木が素晴らしい。 以前は、門のところで少し待っていれば、参道に誰もいなくなるのを見計らって、人が写り込まない写真を撮ることができました。 でも、今は全く不可能..
小鳥の鳴き声を存分に聞きながら歩くことができた、かつての静かな参道はもうありません。 今では、おばちゃんグループの笑い声とキツイ化粧品の臭いにあふれています。
人が多くなりすぎて、少々残念ですが、救いは戸隠の人がそれを無条件に良しとしていないことです。 パワースポットがどうのこうの..なんて宣伝書きは全く見かけませんでした。 パワースポットなるものを真剣に信じている人には申し訳ないですが、そんなカタカナの軽薄な言葉など、奥社へ続く杉並木が刻んできた歴史の前にはひとたまりもありません。
戸隠の地が発する、厳かな空気と真髄は同じなのかもしれませんが、本質を理解しようとせず、パワースポットという言葉のみに釣られて押し寄せる現代人を、あの巨大な杉達がせせら笑っているように思えてなりませんでした。
画像1 奥社へ続く参道沿いにある杉 画像2 鏡池 奥の山は戸隠連邦 画像3 奥社の紅葉
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