今回、ヘッドフォンアンプを作るにあたって色々調べましたが、どうもヘッドフォンがブームらしいです。

家が狭くて大きなスピーカーは置けない
スピーカーから音を出すと近所迷惑
パソコンや携帯プレーヤで音楽を聞くことが主流になった
何よりスピーカーよりヘッドフォンの方が安い

などが理由なのでしょうか。

しかし、携帯型音楽プレーヤの音質、音量の少なさに不満を持っている人は、相当数いるようで、奮発して高いヘッドフォンを買ったのはいいけど、思ったように鳴らない．．なんて不満を見かけます。
中には、プレーヤと共に携帯型ヘッドフォンアンプを持ち歩いている人もいるとか．．何か、本末転倒感がありますが．．

しかし、その「ヘッドフォンの音を何とかしたい」という要望を受け止める製品はあまり多くないようです。
ヘッドフォンアンプは、あんまり売られていません。
だから、自作がよく行われているようです。

携帯型プレーヤーというと、どちらかというとパソコンよりの商品分野ですが、ヘッドフォンアンプというとオーディオ製品の分野になります。
オーディオ製品は、チープで作りも性能もなんとか限度の許容範囲内にある低価格の製品か、とにかくふんだんに金をかけて作り、そして利潤を思い切り乗せた超高価なハイエンド機種に二極化してしまいました。

より良い音をヘッドフォンで．．ということで、チープな外付けヘッドフォンアンプを買っても、正直、劇的な変化は望めないでしょう。
（もともとのプレーヤが、よほどチャチなものなら別ですが）
これも、ヘッドフォンアンプを自作に走らせる要因の一つになっているのかもしれません。

これを、企業の製品の希薄化と嘆くか、必要は自作の母と歓迎するか見方は分かれますが、ヘッドフォンアンプ位ならともかく、もし、高度な機器でこういう状態になったら自作という道は閉ざされてしまいます。

さて、先日から手がけていましたヘッドフォンアンプは、ユニットとしては完成しました。

当初、ゲインを１５dBとしていたのですがAKGのヘッドフォンを鳴らすときには、ボリュームを相当上げなくてはならず、かつ、CDプレーヤの最大出力とヘッドフォンアンプのクリッピングレベルの間に、相当余裕があったので最終的なゲインを１８dBとしました。

AKG以外のヘッドフォンを鳴らすなら、１５ｄBで十分だと思います。だったら、こんなにパワー要らないし．．

早速、できたアンプを聞きながら日記を書いています。
ごくわずかにハムがあります。これは、実験用電源が古くて少しハムがのっているためです。
リズミカルな曲が多い、ロビカハカラウを聞いています。
カラッとした音作りが身上の彼女のCDですが、これはAKGのヘッドフォンにぴったりです。

これだけパワーがあると、さすがに苦もなくヘッドフォンを鳴らしてくれます。
スネアドラムの連打が小気味よくて気持ちよいです。
TEACのCDプレーヤのヘッドフォン出力に比べると、スパスパと音が出てきます。
残響もよく出てくるので、雰囲気もこちらの方が上です。

A&Dのプレーヤと比べると、低域の豊かさはプレーヤの方が上に感じます。
しかし、アタック音はこのアンプの方がはるかにしっかりしています。
パワーは完全にこちらの方が上です。打楽器などは、かなり芯が通った音がします。

低域は、最終的にどうなるでしょうか。
電源いかんで、かなり変わってくると思いますが．．