スカイプ/トマトの尻腐れ
2010/04/16 (金)

この日記を書いているとスカイプを通じて呼び出しを受ける事がある(こちらから呼びかけることも多いけど)

たいてい、近所の農家仲間で話題は農業の事だったりする。
最近は、時期柄、肥料に関する話題が多い..そう、畑作りの時期。

今朝は、新人農家君より「畑を見に来て欲しい」旨のメッセージが届き、畑を見に行ってきた。
レタス定植後、不織布をかけていたけど葉が枯れた状態になったものがあるという。
余談だけど、葉っぱが枯れることをよく「葉が焼ける」という。
農家独特の言い方かな..と思って「焼ける」を辞書で引いたら「草木が枯れる」とあるので一応、標準的な使い方らしい。

更に余談だけど「焼く」を辞書で調べたら、CDやDVDにデータを記録する と載っていたから大したものだと感心した。

で、早速、畑に行って見てみると、作物の上にベタがけされた不織布。その不織布に当たっていた部分の葉が焼けていた。
これは、霜の害。不織布と葉が接触していると、その部分は不織布の効果が無い。

さらに、風で不織布が揺すられる事によって葉が折れて、その結果、枯れてしまっているものもあった。

ダメージは確かにあるが、収穫皆無になるようなものでは無さそう。ただ、収穫時期にバラ付きは出るだろうけど。

昨晩も、別の農家の人とトマトの尻腐れについてスカイプでチャットをした。
(電話みたいに音声で話せばいいのに、なぜいつもチャットなんだろうか??)

で、トマトの尻腐れについてまとめ。

トマトの尻腐れとは、トマトの実の先っぽが丸く黒くなり腐ったようになる症状のことです。
これはトマト体内にカルシウムが不足することによって発生します。
尻腐れ症状の画像は、次のサイトをご覧下さい。
http://www.eonet.ne.jp/~green-up/h070.html#ccf61211-03-8.jpg

似たような症状に、ホウ素不足による尻腐れ様の症状がありますが、カルシウム不足による尻腐れとの見分け方は、同じく上のサイトをご覧下さい。

で、繰り返しになりますが、この尻腐れはトマトの体内にカルシウムが不足する事によって発生します。
トマトの体内にカルシウムが不足する原因は...

1.土にカルシウムが少ない
2.土にカルシウムはあるけれど、トマトが土のカルシウムを吸えない状態になっている

の2つが考えられます。
1.の土にカルシウムが少ない状態は、もう、これは入れるしかありません。しかし、カルシウムが本当に少ないのかどうか知る為には、土を分析しないと分かりません。
土のpHを測って、5.5だったとかいうような強い酸性になってなければ、多分、問題は無いでしょう。

たいがいの人は植え付け時に石灰などを施しているでしょうから、2.の土がカルシウムを吸えない状態となっている事が多いのではないでしょうか。

では、なぜ土にカルシウムがあるのにトマトが吸えないのか..

1.窒素の過剰施肥
2.土が乾燥しすぎ
3.地温が高すぎる

が主だった原因のようです。
まずは1.窒素過剰施肥
土にカルシウムが十分にあって本当は吸えていても、窒素が過剰に施されていれば吸収した窒素の量に対して、吸ったカルシウムの量が少ないわけです。このように相対的に窒素よりカルシウムの量が少ないと、カルシウム欠乏が発生します。
特に、吸った窒素の種類がアンモニア態だとカルシウム欠乏症状は更に助長されます。

2.土が乾燥しすぎ
土が乾燥しすぎると、トマトの尻腐れが発生する事はよく経験されています。乾燥によってカルシウムが吸いにくくなるためだと思いますが、同様に他の成分も吸われにくくなっているはずです。

1.の窒素の過剰施肥のように、カルシウム不足というのは他の肥料成分との相対的な関係によるものとすると、カルシウム同様、他の成分も吸われにくい状況ではカルシウム欠乏は生じないはずです。
この点、私は納得がいかないのですが、実際、土が乾燥するとカルシウム欠乏症状がよく出ます。事実がそうなのですから乾燥はカルシウム欠乏と強い関係があるのは間違いないわけです。
間違っているのは、水分が足りないからカルシウムが吸えない..という理由の方かもしれませんし、カルシウムは他の成分と比較して吸収に多くの水が必要とか、そんな理由かもしれません。
詳細はまだ、私もよく知りません。あるいは、経験で語られているだけで本当のメカニズムはまだ、調べられていないのかもしれません。

3.地温が高すぎる
肥料で使われているカルシウム化合物は、どれも温度が高くなると水に溶けにくくなる性質を持ちます。
地温が上がると、水への溶解度が減って作物に吸われにくくなることは容易に想像できます。

長くなったので続きは明日...

 
ohyakusyou2001の地産地消日記
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