2010/03/27 (土)
さてさて、久しぶりに農園日記らしいテーマ。
化学肥料に対する言葉として有機肥料という事があります。 さて、化学肥料とはどのような肥料で有機肥料とはどのような肥料でしょうか?
そんなの簡単じゃん! って思うかもしれませんが、本当にそうでしょうか?
では、次の肥料のうち、どれが有機肥料でしょうか?
1.ホームセンターで特売している普通化成肥料888 2.菜種油かす 3.硫安 4.尿素 5.砂状ようりん
普通に考えれば、菜種油かすが有機肥料で、あとは違う...
ところが、そうはいかないんです。 ポイントは「有機」という言葉の解釈方法にあります。
例えば「有機」という言葉を、文字通り炭素を含む物質と解釈すると、菜種油かすと尿素が有機肥料という事になります。
JAS法で意味する有機..つまり、「化学的に合成された物質が添加されていないもの」という意味で解釈すると、砂状ようりんは有機肥料。 菜種油かすは、油を絞る時に溶剤を使っているので認証機関によっては微妙...もし、材料の菜種が遺伝子組み換え品種だったらダメ。
感覚的というか慣習的に言うと菜種油かすのみが有機肥料であって、他はそうでない..ということになるでしょうか。
という事で有機肥料の定義とは、考えるとなかなか奥が深いものです。
で、ここまで「有機肥料」と書いてきましたが、私はこの呼び方には抵抗があります。 それは、ここで書いたように有機の意味があいまいだからです。 有機が何を指しているのかわからないのです。
意地悪な見方をすれば、この言葉を好んで使っている人は、有機肥料を使って育てた野菜が有機野菜であると、勝手に消費者が誤解してくれることを期待しているんじゃないかと思う事すらあります。
その点「有機質肥料」という書き方をしている人をみると「あ、この人きちんとしてるな」と思います。 「有機質肥料」と表現すれば、有機質100%で構成されている肥料の事を指すからです。
法律的には砂状ようりんが有機肥料と言っても、感覚的には受け入れにくいですし、化学的には尿素が有機肥料と言われても、これもやはり違和感たっぷりです。
ですから、きちんと「有機質肥料」と表現して、有機質100%で出来ている肥料のことを指すようにするのが、もっとも慣習に合っている気がします。
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