労働力だってれっきとした商品
2008/12/26 (金)

今日もスキー場。
明日から営業を開始するリフトの準備作業。
乗り場降り場の整備など。
最高気温でも−4℃ほどしかなかった。しかも風も強い。
寒かった!!

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年も押し迫ってきて、話題なのがいわゆる「派遣切り」
企業も、ちょっとパニック気味になっている感はあるけど、基本的には派遣切りはやむを得ないだろう。
いや、切ることがやむを得ないのではなく、派遣社員とは何か事があった時に真っ先に切り捨てられる人の事をいうのである、もともと。
いざという時に首を切れない社員は、派遣社員ではない。

なんだか頓智のような言い回しだが、首を切られて路頭に迷う人の事ばかり報道していて、派遣社員の本質についての報道がほとんど無い事が気にかかる。

冷たい事を言うようだが、資本主義社会では労働力も商品なのだ。こんなのは、昔、学校で教えてもらったんじゃないかな?
市場にリンゴがあふれているときに、質の悪いリンゴから売れなくなっていくように、付加価値の無い労働力から売れなくなっていく。
リンゴも労働力も市場原理の前では本質的には同じ商品である。
競争力の無い商品は市場からの退出をせまられるのである、それが市場原理である。

それを承知だったハズなのだが、今さら「派遣切りはケシカラン」みたいな風潮はどうかと思う。
確かに、仕事が無くなった人には、大勢の人が同情の感を抱くだろう。
でも、この不況以前にそんなのはあちこちで起きている。
零細工場、小さな商店、小規模な農家...
これらがつぶれて、経営者や従業員が路頭に迷っても、リンゴが売れずに多量に破棄される事になっても、今まで誰も問題にしてこなかった。
それどころか「競争力が無いからあたりまえだ」という一言でかたづけられてきたのだ。

今回は、その競争力を競う商品が工業製品でもなく、農産物でもなく、たまたま「労働力」になったに過ぎない。

冷たく突き放すような事を言ったが、もちろん、冬の寒空に放りだされて寝る場所も無い人には、早急に応急の措置を講じなければならない。
しかし、同時に行わねばならないのは、私達はどこで道を踏み誤ったのかという反省、これが大事だと思う。

今、世の中を見回してみてもこの反省の声が全く聞こえてこない点が、非常に残念である。
十分な反省をしておかないと、状況が少し好転しただけでまた、市場原理主義の錦の御旗をかかげて、また同じ過ちを繰り返す可能性がある。

いや、あくまでも市場原理主義一筋をとなえるなら、それはそれで結構。
だったら、たかがこれくらいの状況で大変な事態だ、だの、大問題だ、などと今さらガタガタ言わないでもらいたい。

私とて市場原理を真っ向から否定するつもりは無い。
どうかすると、こういう論議は「あり」か「なし」か、「0」か「1」かという話になりがちだが、その中間があっても良いはずである。

その適切なバランスのとれた世の中になってもらいたいと、常々、私は思っている。
その世の中を実現するためには「人の欲」と「思いやり」が重要なポイントとなっているのではないかと、いつも考えている今日この頃である。


 
ohyakusyou2001の地産地消日記
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