悲鳴
2008/08/27 (水)

朝、出荷場にて一緒になった別の農家の人。
「毎日、毎日レタスを鹿に食われて弱った!」

もちろん、畑の周囲に網を張り巡らしてはあるけど、それを壊して夜な夜な侵入してくるという。
もう、毎朝、畑に行くのが嫌になるそうである...気持ちは分かる。

出荷価格は安いし、資材は大幅な値上がりだし、鹿の被害は大きいし..と今年はなぁんにも明るい話題が無いとぼやくことしきり。

しかし、これは大げさな話ではなくなってきた。
「どうせ鹿に食われるから..」と耕作を止める人がボチボチ周囲にでてきた。
もちろん、大農家ではまだそういった話は無いが、お爺さんが一人でボチボチとやっていたところは、そろそろ潮時とばかり次々と畑を止めた。

鹿対策がこの地域の農業の存続のポイントの一つとなってきた。たかが鹿、されど鹿である。

もう一軒、他の農家。こちらは花農家。
カーネーションを出荷したところ、一本たったの5円だったそうだ。
四万本出荷して三十万円になるかならないか。
もちろん、大赤字。経費だけで四十から五十万円の持ち出しだそうだ。
もちろん、あと40万円もらったところで、全部経費に消えるので自分の取り分は無い、ただ働き。

何千万もかけた温室の中で、1本5円の花にお金を付けて出荷する...いや、もうここまでくると出荷というより廃棄物処理と言った方が近いだろうか。

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ところで野菜を出荷しているレストラン。
一昨年あたりより、客単価の低下が続いていたが、このところ急に客単価が上がってきたそうだ。
「価格の高い料理がよく出るようになってきた」そうだ。

理由を考えてみた。
それは、人々がお金の使い方をより考えはじめたのではないだろうか。
お金を払って物を買う、サービスを受けるというのはある意味においてストレスの解消に役立つ。
でも、今はお金が無いから日常においては、日々倹約をせざるを得ない。
そうすると、やはり徐々にストレスが溜まってくる。

だから、せめて何かの機会で久々に外食した時くらいは、良い物を食べようという気になるのではないだろうか。
2000円の料理と3500円の料理があった場合、折角来たたまの機会だからと高い方を注文するようになったのではないかと思う。

もちろん、お客は値段と味だけで訪問する店を選ぶわけではないわけで、料理もさることながら、サービスや雰囲気などもお店を選ぶ際に大きな要素となる。
料理は特段、他店と比べてもぬきんでている訳ではないけど、接客が良くて気持ちよくさせてくれるとなれば、きっと、次もまた、その店に行こうという気になるはずだ。
料理も大切だが、やはり大きなポイントは人である。

私が野菜を納めているお店は、以前から価格帯の割には接客が良いという評判があった。
料理、接客などトータルのサービスの良さが、より財布の紐を締めはじめたお客さんに積極的に選ばれる事となってきたようだ。

反面、ファミリーレストランなどは、今、非常に大変だと聞く。
以前、この日記にも書いたけど、ファミリーレストランの食事は、食事というより「餌」に近い。
ファミリーレストランは、全国一律の料金で一律の品質の料理を提供するのがウリである。
どの店で食べても同じサービス、メニューの写真と寸分違わぬ料理、そして同じ味。

これを実現するために、統一化された手順やサービス。
昔は、これは新鮮だったろうけど、今、人々は機械的に無機質的に扱われる機会が多くなってきて、こういった接客にはもう、飽き飽きとしている。
ファミリーレストランには、マニュアル的なサービスはあても「人 対 人」的なサービスは望めない。
ましてや、パーソナルなサービスなど。
毎日、ファミリーレストランに通っても決して「顔なじみ」になる事などは無いのだ。

今、ファミリーレストランが不振なのはこういった欠点がもろに現れてきたのではなかろうか。

お金を大事に使い始めた人々にとって、こういった理由によってファミリーレストランは確実に選択肢から外れはじめている気がする。
やはり、お金を払うなら、少し位高くたってたまの外食には良い気分にさせてくれる店を選びたいものだ。

画像...新入荷! 整流管CK1006
動作中、放電で綺麗な色を発するというので買ってみた。
次に使ってみたい。

画像1 う〜む、変わった作り
画像2 やはり初めて見るつくり
画像3 借り物の画像。動作中はこんな感じに光るらしい。

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ohyakusyou2001の地産地消日記
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