2008/08/13 (水)
戦争悲話。 ラジオで聞いた戦争にまつわる悲しい話。
戦局が怪しくなってきた頃の南方の島での出来事。 敵の大襲来に備えて30キロ程先の基地に移動を命じられた部隊に所属していた人の話。
ジャングルをかきわけ、何日もかけて目的地の基地を目指していた。 物資の補給路はとっくに断たれていたので、皆、栄養失調になってフラフラ。 ジャングルの中を歩いていると、木の根元にうずくまっている日本人女性が二人。 聞けば、目指す基地は何日も前に空襲を受けて壊滅したという。 その基地の病院で働いていた彼女らは、命からがら逃げてきたとのこと。 もう、何日も飲まず食わず、疲労困憊で歩けないという。
「兵隊さん、お願いです、何か食べ物を下さい、お水を下さい」
懇願する彼女らに分けてあげられる水も食糧も無かった。
「なら、せめてここで私達を撃ち殺して下さい、私達はもうダメです」
さすがに同胞の、しかも女性に向けて銃を撃つことはできなかった。 どうすることもできない..何も施してあげられない.. ただただ、彼女らをそこに置いていくしか無かった。
その後、彼女たちを見た人はいない。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 日本が降伏した後、満州から引き上げて来た人の話。 引き揚げ船の出る港まで、家族でトボトボと歩いて行くより他は無かった。
途中、何カ所もソ連軍による検問がある。当然、ただでは通してくれない。 都度都度、金目の物を渡して通してもらうのだが、ついにめぼしいものは無くなってしまった。 もう少しで港というところまで来た時、またしても検問所。 しかし、もう金目のものは何も無い。 兵士に金目の物が無い事を身振り手振りで伝えると、兵士はカタコトの日本語で一言だけ言った
「オンナ..」
通してもらうには、連れていた年頃の娘を差し出すより他になかった...
ここで話し手は非常に長い沈黙... 話し手の自宅で収録したのだろうか、遠くでジワジワと鳴いている蝉の声が聞こえるだけ。 ラジオだから、話し手の表情は分からない。 しかし、この長い沈黙が全ては物語っている。ラジオだからならでは、より感じる事ができる。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 次は中国の人の話。
ある日、私の家に日本兵が何人かでやってきました。 兵士は応対に出た私の父を銃で撃って殺しました。 父は兵士に殺されました。
次に兵士は、まだ赤ん坊だった私の弟を母から取り上げました。 母は兵士にすがりついて抵抗しましたが、引きはがされて、やはり撃たれて殺されました。
兵士は、私の弟の足を掴み、大きく振り上げて、そして地面に叩きつけて弟を殺しました。
家にいた私の姉は兵士につかまり、全裸にされました。 そして代わる代わる兵士に犯されて、なぶり殺しにされました。 兵士が去った後には、父と母と弟、そして姉の死体が残されました。 姉は陰部から傘を突き刺されて死んでいました。
私だけが生き残りました。
.......... いずれも余りにも生々しい当事者の話だった。 これは嘘であって欲しい、作り話であって欲しいという気持ちを隠さずにはいられませんでした。
NHKラジオでは、この手の話は今の時期の深夜から早朝にかけて放送することが多いのだけど、正直、朝っぱらからこのような話を聞いて気が滅入る。
しかし、本当に一番辛いのはこれらを語る、当の本人達である。 辛さを押しのけてでも伝えたいもの、それをしっかりと受け止める必要があると思った。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 朝、レタスの収穫。 今日も畑の近くに鹿がいた、今日は一頭だけ。 もちろん、大声を上げて追いかける(笑)
なんだか、明日の出荷分から続々と追加注文が入っているらしい。 さては、どこかで出荷調整が始まったか?
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