2008/03/30 (日)
なぜ、このところ地産地消を唱え出すレストランが増えたのでしょうか? ちょっと前は、地産地消とかスローフードなどというと、ちょっとヒステリック気味な連中の言うこと..という風潮すらあったのにです。
外食産業は近年、大変発達しました。でも、これを支えてきたのは海外から安く調達できる食材があったからだと私は思います。 安い材料を買ってきて、効率的に調理して、安く大量に提供することで、外食産業は広がってきました。
でも、昨今の穀類を中心とした高騰や供給そのものの不安定感、そして外国産食料品への不安の高まり、こういった外的要因により、今までのやり方を見直さざるを得なくなってきました。 大手の外食業者はまだ今までのスタイルで持ちこたえられるかもしれません。 でも、そうでないところはこういった要因に左右されにくい場所に必然と活路を求めることとなります。
求めた先、それが地産地消。
残念ながら、かくして今の外食産業における地産地消は、消去法的で受動的な理由から盛り上がってきていると私は認識しています。 動機があくまでも受動的なので、地元の直売所あたりで材料を買ってきて「地物です、地産地消です」と出すだけのレストランのいかに多いことか。 たいがいの直売所は業者から仕入れるより安く売ってるし(品質もさまざまだけど)、地元産ってのも間違いない、客にそうやって出せばウケも良い。 レストランとしてはいいことずくめです。
でも、これってどうなん? モノは確かに地物ですけど、モノ以外の部分はどうなの? 地産地消って、単に地元の物を地元で食べるって、物レベルだけの話では無いのですよ。
でも、ぶっちゃけ、レストランに来る客にとってみれば、必要なのはモノにくっついている「地場産」という一種のブランドだけで、それ以外の物は基本的に必要無い訳です。 大都会からやってくる客を相手にしている店では特にそういう傾向が強い。
それに対し、地元客が多い店ではレストランを通じて、最終的には一種のコミュニティが形成されてくるのではないかと見ています。これはゆくゆくは地域の大きな力となる可能性を秘めている。 だから、あくまでも地元のお客さんを相手に商売をしているレストランと組んで地産地消をとなえていきたいのです。
さて、話は少し遡って穀物高騰の根本原因。 穀類高騰の原因として挙げられているのがバイオエタノール燃料。 燃料向けトウモロコシの増産に農地が振り向けられたため、そのしわ寄せを食って小麦や大豆、はたまたオレンジやコーヒーまでもが高騰しているというが一般的な説明です。
何かおかしくないですか? 車の燃料と人間の食べ物のどっちが大事? 子供でも食べ物って言いますって。 食べ物の方が大事だけど、実際には車の燃料の栽培の方が選ばれてるわけです。
それは、それだけ、まだ食べ物が食べ物として評価されてないってことなんですよ。 以前から書いているとおり、こういう場合の「評価する」ってことはカネを出すってこと以外の何物でもないです。 つまり、穀物がバイオエタノールの材料に回されていることが問題ではなくて、人間の食い物を車の燃料以下と見ている人が大勢いるということが問題なのだと思います。
輸入が止まる! 小麦製品が値上がりする! と騒ぐのもいいですが、今まで自分達がどうしてきたのか、だから、それを反省にこれからどうしていくべきなのか、もう、早急に考えなくてはいけない。
残念ながら、同じ過ちが国産農産物に対しても繰り返されようとしているように見えます。 もう、食料が安く豊富に買える時代は戻ってきません。 過去の栄光を懐古するような事はやめましょう。
とまぁ、農閑期の戯言のような日記はボチボチ終わりです。忙しくなってきますんでね。 これから書き込む内容は、日々の農作業の事が主体になりそうです。
30日の出来事は、それはそれでここに書き足すつもりですので、前日の29日にここを見ちゃった人も、明日、また見に来てくださいね。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 本日の農作業。 圃場番号1 本日、肥料散布。高度化成と重焼燐、硫マグ。その耕す。雨上がりはマルチ張りだ。
本日、種まきの日。 レタス15枚。 その他、ソラマメ、レストラン向けレタス類、トレビス、Fェンネル、イタリアンパセリ、黒キャベツ、ナスタチューム、キャベツ信州868、ピクセル
ソラマメは、お多福ソラマメと駒栄だけど。なぜか、駒栄の種が無い。注文した物が届いていたはずなのに! 結局、今日はお多福ソラマメだけ蒔いた。
夜、駒栄を探したら本棚の後ろに落ちてた... 種袋が重いので、これだけ封筒からするりと抜けて、後ろに落ちてしまったようだ。
夜は無尽。
|