2008/03/27 (木)
先日、レストランでの打ち合わせの席、お店の方からレストランの地産地消への取り組みについて、お客さんへどのようにアピールするか提案があった。 もちろん、私の方は賛成である。
以前にも時々書いたが、あちこちのシェフと話をしていて思うのは、どうも料理人というのは「美味いものだけだしていれば黙っていても客は来る」という考え方が根強いようだ。 もちろん、基本的には間違ってはいないと思う。 だけど、そんな店はほんの一握りだし、よしんば美味いものを出していても、大抵の店は周囲の人がそう認識してくれるまでの期間、実入りが少ない状況のままで持ちこたえられる訳がない。
今、地元食材使用だの地産地消だのうたう店は、掃いて捨てる程ある。 ぶっちゃけ、この店より非常に不真面目な取り組みしかしていないにも関わらず、宣伝がうまいためにとても人気を博している店もある。 これは私としては、非常に癪にさわるわけだが、何も今の店にガンガン宣伝したらいい、PRしたらいいと言っている訳ではない。 ただ、きちんとやっている事をそのまま飾り付けせずに、お客さんに伝えなさい..そう申し上げているだけのつもりだ。
何ら飾り付けせずに..というところが大切であって、「堆肥を使ってさえいれば素晴らしい野菜ができる」 だの 「農薬の使用を減らした野菜はうまい」 だの、無責任な宣伝は逆にこちらが御免蒙りたい。
とにかく、自分達が取り組んでいることはストレートにお客に伝える。 他人には言葉にせねば、形にせねば伝わらない。 料理という形にする方法ももちろんあるが、せいぜい10万人程度しかいないこの街で、料理を見てそこまで理解してくれる人がそんなに居るとは思えない。 言葉にして伝える方が、まだまだ大切だ。 沈黙は美ではない。 他のレストランが、地元のスーパーや直売所で野菜を購入するだけで堂々と地元産だの地産地消だのとして提供している中、この店は自分達が畑まで出向き、汗を流して収穫しているわけだ。 この差は小さくない。少なくとも、それくらいのモトはとる位、宣伝してもいいでしょう? ただただ、そう言いたいだけである。
今日の食事
朝食 ご飯、味噌汁、納豆、漬け物 昼食 もらいもののラーメン 夕食 ご飯、キャベツとトマトのサラダ、肉野菜炒め
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