2008/02/27 (水)
明日は多分、日記が書けないので、前日に書きます。
今日は工業製品の話。 何もかもが計算ずくで厳密に決定される現在はこんな事は滅多にないと思う。 が、昔は今よりも大胆さがあったというか大らかだったのだろうか... 以前は時折、有名なメーカーが破格の大出血価格で新製品を発売する事があった。まるでトチ狂ったように... 担当者がすごく頑張ったのか、起死回生をかけた大勝負の商品投入なのか、理由はケースバイケースだと思う。 いずれにせよ、その価格設定において社内に激論が飛び交った事だろう。
今、私が使っている20年もののCDプレーヤもその一つ。 A&D(AKAIとDIATONEが合併したブランド)のDP-9000というCDプレーヤだが、一応、当時、技術者の端くれにしがみついていた私が見ても、明らかに採算度外視の製品であることが分かった。 何と、民生品のCDプレーヤごときにアルミダイキャストのシャーシである。 この金型のモトをとるだけで、一体、この機械を何台売らねばならないのだろうか...などとマジメに考えたものだった。 発売を待って秋葉原へ行った。試聴した。驚くほどの音が出た。これはスゴイ! そして雑誌に出ていた記事を読み、回路図を見た...ここまでやるか!?って程の贅沢な作り。とにかく小細工は無し。基本に忠実な物量作戦的な作り。
確かに絶対価格は安くない。しかし、中身から見たら明らかに「買い」である。当時、CDプレーヤをまだ持っていなかった私は迷わず買った。値引きはほんの僅かしかなかったと記憶している。 仕事柄、同業他社の技術者と話をする機会も多かったが、他者の技術者からもこのプレーヤについての話を何度か聞いた。 このプレーヤをすかさず買った事を話すと「さすが!」と言わる場面もあった。 ちょっと技術を知っていて、オーディオに興味を持っていた人なら皆、唸るほどのプレーヤだったのだ。 今でも、歴代の日本製のCDプレーヤの中では間違いなく屈指のプレーヤだと思う。 ただ、メーカーが一般的では無かったために、普通の人の間には浸透しなかった。 その後、DIATONE(三菱電機)は音響部門から撤退してしまった。そしていま、このプレーヤは修理すらできない。故障したらもう終わりである。 ↓このプレーヤのカタログ http://www.audio-heritage.jp/AKAI/player/dp-9000.html
もう一つ、同様の製品をご紹介..コレ↓ http://www.audio-heritage.jp/NEC/amp/a-10.html 当時、オーディオ製品からの撤退の瀬戸際に立たされていたNECが起死回生の為に放った製品。 これも、トチ狂ったというか、どうせ散るなら華々しくと思ったのか、やけくそ的な価格設定。 当時、このクラスの製品はこの価格では絶対にできない。 先のCDプレーヤと違って、こちらは売れに売れた。数だけはものすごく出たハズである。 未だに中古店でこれをよく見かける。 しかし、NECはこの製品では全く儲からなかったと私は見ている。 その後、マークUが出てコストパフォーマンス的にはかなり落ちてしまった。 その後、NECはオーディオ界から姿を消すこととなる。
話はうって変わって、昨日のはちみつの続き... はちみつって、甘くて美味しい。これを嫌いだと言う人はあまりいないのではないかと思う。 けど、よ〜く考えたら、はちみつって蜂が吐き出したものなんだよね... 食品の中に虫が紛れ込んでいただけで、それ以上食べる気をなくす人が多いと思うけど、蜂が「オェッ」(と言っているかどうかは分からんけど)と吐き出したはちみつは美味しい美味しいといって食べる。 いや〜 人間ってホント変です(笑)
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