2007/12/18 (火)
今回の旅行期間中、ハワイ島の野菜農家を訪問しました。 訪問した農家は、ワイメアの街にあるOkada Farm。 70エーカー(約28ha)の畑を耕作している農家です。
名前から分かる通り、日系の方です。 ただ、もうご高齢で跡継ぎも見込めないことから、ここ数年のうちに農地を売ってしまわれるおつもりとの事でした。 農家の跡継ぎ問題は、ハワイ島でも日本と同様との事でした。
さて、Okada Farmの栽培作物ですが、私たちが訪問した時は、セロリ、ゴボウ、キャベツ、ブロッコリ、赤キャベツ、オキナ(詳細後述)が作付けられていました。 あいにく、訪問の数日前にかなりの大雨があり、畑が冠水してしまっているところもありました。 主な出荷先はアメリカ本土ということでした。
農業機械は、280馬力のトラクタを筆頭、180馬力、150馬力と大きなトラクタが4台もありました。 あとは、かなり古いブームスプレーヤ。相当、古いです。日本では見たことが無いタイプです。 その他に、除草や追肥、種まきに使う中馬力のトラクタが2台。
移植栽培は行わずに、基本は直まきとのこと。 セロリなども直まきなのだそうです。 マルチを使っている様子は一切見受けられませんえdした。 マルチは使わないのか? と聞いたら、そんなものは知らないという感じでした。
受けた印象はかなり粗放的な栽培。 ブロッコリなども見ましたが、日本では売れるとはあまり思えない程度の品質でした。 キャベツは、かなり小玉。干ばつで外葉が伸びなかったと言ってましたが...
今回、唯一分からなかった作物が「オキナ」と呼ばれていた作物。 どう見ても白菜なのだが、聞いても、「白菜とは違うオキナだ」という。 オキナとは何かと尋ねても、葉っぱものだという以上の事は知らないらしい。
あと、肥料については驚いた。 14-14-14の高度化成肥料一本のみ、堆肥も他の肥料も一切使っていないという。 作物の育ちを見て、かなり土が劣化している様子が感じられた。
作業をいかに楽に効率的に行うかというのは、大いに感心があるようだったが(だから大型機械が山のようにあった)作物の品質や、それがそのように使われるのか、その作物そのものについてはあまり感心が無い様子だった。
こちらは、先方に対して沢山の質問を浴びせかけたが、向こうからこちらに対して「日本ではどうしているか?」などの質問は1つも無かった。 「私たちのところでは、こうこうこのように栽培している」と説明しても、全く反応に乏しい。
これは、自分のやり方が一番だと思っている現れなのか、あるいは、農業はあくまでも収入を得るための手段であると割り切っているからなのか、そのあまりの反応の無さの理由までは限られた時間の中では知ることができなかった。 あるいは、単に性格だけの問題かもしれない。
時間をかけて丁寧に説明してくれたので、少なくとも、歓迎されてなかったという事では無いというのは確かそう。(コーヒーやケーキも出してくれたし)
今回、技術的には見るべきものはほとんど無かったが、文化の違い、思想の違いを感じさせてくれた事は、今後の私のさまざまな事柄に対しての考え方に幅を持たせてくれたように思う。
ちなみに、今回、ハワイ島の小売店で調べた野菜の価格は以下の通りだった。 あちらでは、1パウンド(=約450g)あたりの価格を表示するのが普通らしいので、1個売りが基本の日本の売り方との価格の比較は簡単にできないが、できるだけ円の価格に換算してみた。 為替レートは $1=110円で計算。
キャベツ(ローカル産) $0.99/lb 327円/玉 レタス (ローカル産) $1.79/lb 197円/玉 ブロッコリ(本土産) $1.69/lb 186円/個 ニンジン(本土産) $0.79/lb 43円/本
日本では、アメリカ産のブロッコリが1個99円売られている事はよくあるが、それに比べても高い。 全般的に、根もの野菜は日本より安いが、葉物は高目。 キャベツやロメインレタスは日本より大変高い。 品質も良くないので、体感する値段差は上の表示以上となる。
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