アンプ復活 最終章
2007/02/23 (金)

昨日書いた、アンプが故障したステップを再掲。

1.出力管に発生した異常により、プレート電流が異常に増大
2.それにともない、バイアス電圧が増加し、カソード抵抗のバイパスコンデンサの耐圧を超えてパンク
3.消費電流の増大に整流管が耐えられなくなり、内部でスパーク
4.電源トランスの二次側が短絡状態となり、電源ヒューズが溶断

さて、これを見て割り切れなさ、腑に落ちない感じを受けた人はエンジニアの素質があるかもしれない。
部品を替えて、一応、鳴るようになったアンプだが、上の1項の「出力管の異常」の原因がまだしっかりと解明されていない。
これをきちんと解明して、ちゃんとしたエンジニアになるのか、単に部品を替えて良しとするだけのチェンジニアとなってしまうのか、ここからが勝負の分かれ目である。

もし、原因が真空管内部にあるのなら、アマチュアレベルでは真の究明は難しいかもしれない。

さて、プレート電流が異常に増大する原因とは、どのような原因が考えられるだろう。
タマの内部に原因があることも考えられなくもない、ましてや相手は中国製のヨタ球である。
他に原因としては、真っ先に考えられることとしてバイスに起因するもの。
まずは、これを疑ってみることとした。

このトランスはインターステージトランスで前段と出力段が結合されている。
コンデンサ結合の回路なら、コンデンサの絶縁不良を真っ先に疑うのだが、まさかトランスの絶縁不良は無かろう..ということで、とりあえずこの考えは排除。
しかし、トランスから直にグリッドに接続されている、極めてシンプルな回路だけに他に故障しそうなところが見つからない。
もし、インターステージトランスの断線が原因なら、ケミコンを替えても真空管を替えても音は全く出ないハズである。

どうしたものかと、テストのために真空管を何度か抜き差ししていたところ、1本だけ抜き差しする時の力が微妙に他の真空管より少なくて済むものがあることに気がついた。
もしや..と思い、シャーシの裏側から覗いてみる。
真空管をグリグリと動かしてみると、ソケットのコンタクトと真空管のピンがいかにも十分、接触していなさそうなところが見つかった。
その接触不良のピンはグリッド。もし、これが接触不良だったら、ノーバイアスとなりプレート電流は増大する。
よく観察すると、いかにもルーズな接触で、十分かみ合っているとは言い難い状況。

さては、真犯人はこれだったのか?

通電したまま、真空管をグリグリしてテストする勇気は無いので、このソケットを取り替える事にした。
幸いソケットの替えは何個か手元にある。
ついでに、ハンドドリルでパネルを座繰り、ネジを皿ネジにすることで、ソケットの取り付けネジの頭がパネル上に出ないようにした。
これで、2A3Wを取り付けることができる。

これらの作業を終了して、タマを差し込み通電。バイアス電圧を確認してから、後は長時間動作させて試験して見ることとする。

アンプは重さが20kg近くあるので、作業のためにひっくり返すのも結構たいへん。

画像1 出力管に2A3Wをセットしたところ
画像2 出力管に偽シルバニアの2A3をセットしたところ
画像3 手前がパンクしたケミコン、奥が問題のソケット

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ohyakusyou2001の地産地消日記
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