2006/08/22 (火)
今日は出荷が休みなので、家で朝食をとろうとしていた。
と、その時、屋外にある防災無線のスピーカーがけたたましくサイレンを鳴らしはじめた。町内のどこかで火災が発生したので消防団の呼び出しである。 「火災発生 火災発生 ##地区の **さん宅で火災が発生しました。第一、第五分団は出動して下さい」
え? 今言った**さんって、友人の?
慌てて軽トラに乗り込み、**さん宅へ。 途中、後ろから消防車が来たので道を譲って先に行かせる。
家が近くなってきた。すると、あたり一面になにかこげるような臭いが漂っている。 遠くに大きな煙の柱が立っているのが見えてきた。かなり本格的に燃えていることが分かる。
車を降りて走って現場へ駆けつけると、まだまさに消火活動の真っ最中。 母家のとなりの倉庫は、すでにすっかり焼けて柱が何本か残っているだけ。 母家の方は放水を受けて炎は見えないものの、灰色の煙が多量に立ち昇り、まだかろうじて何とか原形をとどめているといった感じ。 素人目に見ても、もう手後れである。
手近な人をとっつかまえて、住人の安否を尋ねてみると、幸いみんな早目に避難して人的被害は出ていないという。
となりのビニールハウスのところに、家の主の**さんがいるのが見えた。事情聴取を受けているようだ。 家族の怪我の有無などを聞いて、奥さんや子供達はどこにいるのか尋ねると、近所の家に避難しているという。
今度は、そちらの家に向かう。 と、道端で談笑している女性が目に入った。 よく見ると、今、まさに自宅が燃えている家のその人であった。 まるで、ゴミを出しに行った時に近所の人に会ったかのような感じで、一歳になる子供を抱いて近所の人と立ち話をしている。 その光景をみると、ほんの200m先で今まさに自宅が焼け落ちようとしている人には全く見えない。
この奥さん、以前から肝っ魂が据わっているということで評判だったのだが、ここまでくるともう完全に脱帽である。
残念ながら、自宅は全焼してしまい、一家はほとんど何も持ち出すことなく放り出されてしまった。
しかし、地域の人が衣服や生活用品を続々と持って来てくれて、午後にはもう、断るほどだったという。 同じ町内に当面の生活場所も確保できた。
トラクターなどの農機具は別の場所に保管してあったので、それらは被害を受けなかったのが幸いである。
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