2006/01/26 (木)
あっさり、逮捕されて社長の座を退いたホリエモン。 ちょっと無理し過ぎたようだ。
このライブドア事件が発覚後、やはりお金は汗水たらして稼ぐものだ...的な意見をあちこちで見聞する。 さて、これについて思うところを書いてみようと思う。
上の考え、心情的には分かる。しかし、現状ではこの話にもろ手を挙げての賛成はしかねる。 たいがいの方が想像するように、百姓の仕事は体力的にとても大変である。 前出の文章通り、汗をかいているわけだ。 しかし、百姓は汗をかいたから稼げるか? というとそれは違う。 昨年の超安値のように、お金を払って農産物を出荷するということも珍しくないから。 農産物の出荷というのは、おかしな商習慣があって売る方がお金を払うことがままあるわけだ。 農協出荷であれば、文字通り「あなたは、これだけの野菜を出荷しました。結果、赤字でしたので***円のお金を払って下さい」という伝票がくるわけだ。俗に言う赤伝。
農作業が体力的に辛いのは我慢できる、それが仕事だから。 しかし、赤伝や圃場廃棄処分(*)は精神的に大変こたえる。
*出荷しても赤字になるので、収穫をあきらめて畑で農作物を処分すること
昨年は、多くの農家が汗水たらして働いて、常識とは逆にお金を払って農産物を出荷しているという事実がある。 こういう事を実体験していると、汗水たらして稼いだお金は貴い という意識は薄くなる。 損する時も多いのだから、高値で売れる時は何だろうとドンドン売って取り返せ。 あくまでも、金は金。それ以上のものでも以下のものでも無い...そんな感じ。
農業に関っている誇り、汗水たらして稼いだ金は貴い...そんな思いなどは自分の生産した農産物が経済的に適当な評価を受けて、それから付いてくるものである。 出荷した農産物が、評価に値しない出来の悪いものだったら経済的に評価されなくとも致し方がないが、安い時には品物的には大変良い出来栄えでも全く評価されない。 あるのは、純粋に需要と供給の法則のみ。 これでは、良いものを作ろうという意識はどうしても薄らぐ。 だから、汗水たらして働けば金になるとか、そういう金は貴いという考えにはどうしても疑問符が付いて回る。
さて、色々書いてきたが、ともかく、汗水たらして働いて、良い結果を出したのに評価されない...とにかく、こういう状況は尋常ではない。 それに、金は金、それ以上でも以下でも無い..という考え方は、ややもするとこの考え方を自分が生産する農産物にも、無意識のうちに当てはめてしまいそうで大変恐い。 出荷する農産物は、あくまでも金儲けのためのものであって、それ以上でも以下でもない..というように。 この考え方は完全に食べる人は不在の思考。無味乾燥で、ややもすると危険な方向に走りがちな考え方に思える。
こうなっていくのが恐ろしくて、別の農業のあり方を模索するために、今シーズンからやり方を変えていこうとしているところなのだが、果たしてどうなるのか。
本日、急に、M嬢、N嬢から電話があり、近くまで行くので...という事だった。 待ち合わせしたら、まだ二人とも昼食を食べていないという。 早速、ウチのお得意様のレストランへ御案内した。 都会に住んでいるお二人、片田舎のレストランを気に入ってくれるだろうか?
平日だというのに、お店は混雑。 順番待ちとなってしまった。 しばし待ったあと、着席。とにかく、お腹が減ったということで、お二人はランチコースを注文。 食事の終わり頃になって、シェフが気を利かせてご挨拶に来てくれた。 お二人は、肝心の味についてはどうおもっただろうか? 聞いたら、どうも、お腹が減っていてなんでも美味しかったみたい...
でも、店内が綺麗、トイレもとても綺麗とお褒めの言葉を頂いた。
|