頑張って欲しい
2005/11/26 (土)

お付き合いのあるレストラン。

シェフの話を聞けば、毎日が葛藤の連続だそうだ。
より良い料理を提供したい、しかし、地域性もあってそんなに料金は高く設定できない。
高い料金なら、凝った高級食材も使えるが、それなりの値段だと、それに見合った食材を使わざるを得ない。
そこで、シェフが考えたのが手間をかけるということ。
より良い料理を提供するために、食材は高級なものは使えないけど、手の込んだ料理を提供することによってお客さんに喜んでもらおうと考えたのだ。
しかし、これには厨房のスタッフに大きな負担がかかる。
ここでも、また、スタッフへの負担とより良い料理の間で葛藤が生まれるわけだ。

このあたりの地域は、もともとあまり外食をするという習慣が少なかった。
飲食店も少なく、昔からやっているレストランや喫茶店がボチボチとあった程度だった。

そこへ開発の波が襲ってきて、あれよあれよという間にショッピングモールができ、量販店が林立し、ファミリーレストランや、ファストフードが出店してきた。
今、地元の人は、この急激な変化に驚異の目と、商業的に栄えだしたことへの喜びと、そしてこのままいくとどうなるのだろうかという戸惑いが入り交じった複雑な気持ちを持っていると思う。

私が残念に思うのは、昔から受け継がれてきた食文化が、ファミリーレストラやファストフード、コンビニが大挙して出店したことで、壊されつつあることだ。
今まで何もなかったところへ、このようなものがいきなり林立したわけだから、消費者も浮き足立ってしまうのは致し方がないことかもしれない。
でも、これが収まった時には、今までの食文化の良さを再発見する人や、本物を求める人達が大勢現われることと確信している。
それまで、まだだいぶ時間がかかるとは思うが、これからお付き合いするシェフには、あきらめずに辛抱強く待っていてもらいたいと思う。
そして、この地域でそういうお客さんに一番支持される店、そういう店を目指して欲しいと思う。


 
ohyakusyou2001の地産地消日記
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