来年に向けて
2005/09/03 (土)

そろそろ、来年の事を考えながら農作業をしていかねばならない時期になってきた。

来年、春一番に作付ける畑は年内に堆肥を入れておくとか、作付けが後の方になる畑は、腐熟期間が十分にとれるので緑肥を蒔いておくとか、そういった事が主になる。

経営的には来年は、主力で出荷しているレタスの作付けを少し減らす予定だ。
その分、直販する他の野菜の作付けを増やす予定。
例えば、学校給食向けの野菜。給食向けに更なる野菜の供給を要望されているので、キャベツなどの他の結球野菜や、根菜類の作付けを新たに行うつもり。
根菜類は、保存が効くため出荷労力の分散が計れそうだ。
レタスは特に7月上旬からの一ヶ月半、作業が集中してしまい、この期間は大変な苦労を強いられている。
だから、労力の分散というのは切実な問題なのだ。
畑にとっても、間作として緑肥を作っているとはいえ、毎年、レタスを作るよりは他の作物と交互に作った方が良いに決まっている。

何より、出荷したものが足元を見られて買い叩かれるより、地元の人に乞われて作る方が、ずっとずっと精神的も良い。
ただ、問題もある。
それは夏休みの存在。最も野菜が採れるようになる夏の期間、学校も休みなのだ。当然、給食も無い。
だから、保存が効く根菜類を栽培すると、尚更都合が良い。
それに、タマネギやジャガイモ、ニンジンは給食での使用量が野菜のなかでかなりの割合を占めるのだ。

経済的には、同じ作物を多量に作るより、少量多品目の方がはるかに効率が悪い。だから、稼ぎという点では来年は例年より減ってしまうのは致し方が無い。
しかし、前にも書いたように乞われて栽培する精神的な充実感は、減った収入を補って余りあるものだと思う。
以前、他産地のレタス農家の方と呑んだ時に、その方が「俺達、毎日、毎日レタスばっか作って、つまんない農業をしてるな..」と、しみじみ言っていたことを思い出す。

ただ、給食向けの栽培も不安が無い訳ではない。
合理化の一環として、給食の調理を民間給食会社へ委託したりする流れもあるという。
そうなると、一括して仕入れる食材の方が安いからわざわざ地元産なんて使わないよ...なんて話にもなるかもしれない。
子供の給食の食材が、マクドナルドのように輸入食材ばかりというのも、大変味気ないものだなと感じるが、将来的には食べる側の意識が変わって、輸入物ばかりでも抵抗が無くなる時がくるのかもしれない。
もっとも、そんな時期にはウチだけではなく、国内の農業はすでに絶滅状態だろうが...


 
ohyakusyou2001の地産地消日記
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