2005/05/20 (金)
なにかにつけかなり厳しいご時世、農業の世界も例外ではない。 資材は容赦なく値上がりし、出荷価格は下げ止まらない。 経営を維持するには効率を上げることがポイント、これは農業も同じ。
さて、効率という観点からウチの農業を見てみるとどうなるだろうか? これが、実にウチの場合は、効率が悪いのである。 効率を悪化させている最大の要因は二毛作をやってないということ。 二毛作とは、1年で同じ畑に二回以上作付けるということ。正確には、三作すると三毛というのかな?
レタスを作付けるには、まず畑に肥料を撒く。そのあと、マルチを張って、苗を植える。そして育ったら収穫。 簡単に言えばこういうこと。収穫が終われば、マルチを剥がして一連の作業終了。ウチの場合は、そうである。
しかし、二毛作、三毛作の場合は、収穫を終了してもマルチは剥がさない。マルチの上に残った枯れ葉などを片付けて、新たに植え穴をあけて(あるいは前作の株を引き抜いて)そのまま次の苗を植える。 実際に目撃した話だが、朝、収穫をしているところを見かけて、夕方、同じ畑を見たらもう次の苗が植わってた...なんて事もある。 もし、1haの畑があって全部の面積を二毛作すれば、作付け面積は二倍の2haとなるわけだ。 2ha分の出荷をするのに施肥も、マルチ張りもマルチを剥ぐのも1ha分で済む訳で、これはまことに効率が良い。剥ぎ取ったマルチの処理費用だってバカにならない。 春1番先に作った畑なら、作物を選べば三毛作だって可能である。
でも、ウチはこれはやってない。収穫が終わればマルチを剥がして処分して、その年はもう、その畑は終わり。 これだと、2ha分の量を出荷するのに、マトモに2haの広さの畑が必要である。必要な肥料代も、マルチ代も施肥する手間も、マルチを張ったり片付けたりする手間も単純に二毛作の二倍になる、出荷量は同じなのに..だ。 これは、本当に効率が悪いことなのだ。畑の面積が二倍になれば、土手の草刈りなどをしなくてはいけない面積も二倍になるし、片付けが終わって休んでいる畑の管理もしなくてはならない。
しかし、ウチでは、今はあえてこの手間がかかる方式をとっている。 なぜならば、二毛作にすると畑への負担が大きいから。 二毛作というのは、つまり1年の中でも連作となるし(ハクサイ→レタスというパターンの二毛作もあるが...)畑にマルチをはっておく期間も長くなる。 マルチは大変便利なものだが、実は地力を大変消耗させるものでもある。
やはり、1年に一作が自然である、ということで、ウチでは二毛作はやってない。 市場での評価は、そんなの全然関係ないので儲けるということから言えば二毛作のほうがダンゼン有利。 これ以上、環境が厳しくなって二毛作をやらざるを得ない事にならなければいいのだが。
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