2004/09/02 (木)
僕の名前はコンテナです。
僕の仕事は、農家の人が畑でとった野菜などが無事にスーパーの店先まで届くように、しっかりと品物をガードすることです。
トラックへの積み下ろしの時など、時にはとても荒い扱いを受けることがあります。運転手さんによっては、とても乱暴な扱いをする人が居るのです。 そんな人に当たってしまったときは、正直、辛いです。
僕たちの体は、分厚いプラスチックで丈夫にできていますが、それでも荒い扱いに耐えられなく、体を壊していく仲間が時々います。
僕たちは、毎日毎日、畑とスーパーの間を行ったり来たりしています。スーパーに行くときは野菜を抱えて行きますが、帰りは手ぶらで帰ります。 帰ったあとは、集荷場で一休みした後、また畑に駆り出されて野菜を手渡されるのです。 でも、時々、往復の途中で誘拐に遭う仲間もいて、少しずつですが仲間達の人数が減ってきています。 途中でさらわれちゃった仲間達は、いまごろ、どこで何をしているんでしょうか..
農家の人達は、僕たちの活躍を喜んでくれています。 ダンボールで出荷するのに比べて、箱代が助かる、雨の日の収穫作業が楽になる などと言ってくれます。
スーパーからの帰りは、基本的に手ぶらなのですが、時々、スーパーから喜ばれざるお土産を渡されることがあります。 それは、誰かが食べたコンビニ弁当の空容器だったり、ジュースの空缶だったり..要らなくなった、POSなんかもよく渡されます。 でも、そんなのはまだマシな方で、店頭でゴミ箱代わりに使われて腐ったタマネギやら剥いたトウモロコシの皮などを持たされるのはタマリマセン。 これは本当に何とかして欲しいです。
スーパーから帰ってくる私たちに、しょっちゅう、ゴミが持たされてくるので、農家の人もよく怒ってます。 「ウチの畑はゴミ捨て場じゃねぇ!」と。
誰がどこのスーパーから帰って来たのか、農家の人も大体分かるので「あのスーパーはいつもゴミを入れて送ってきやがる」なんて、農家の人も分かっているようです。
ところで、野菜の出来具合というのは僕たちの想像以上に、天候などに左右されるようです。 僕たちが見ても、素晴らしい出来の野菜を手渡されることもあれば、普段なら形が悪くて畑ですてられる程度のものを渡される事もあります。 そんな時は、出来が良くないのです。
時には、農家の人が究極の選択(古!)をしなくてはいけないこともあるようです。 例えば、2軒のスーパーから注文が来ていて、どっちかには程度のよい物を、もう片方には程度の悪い物を出荷しなくてはいけないようなときです。 そんな時は、いつもゴミをお土産に持たせてくれるスーパーの方へ行く仲間には程度の良くない野菜が手渡されます。 やっぱり、僕たちを綺麗に扱ってくれる、スーパーとそうでないスーパーでは、農家の人も、いざという時は差を付けることがあるみたいです。
でも、スーパーの人はそんな事には気が付かないでしょう。知っているのは、僕たち、コンテナーだけです。これは内緒です。
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