陽射しは暖かいのに、北風が強い。煽られてバタバタとめくれ上がるトンネルの農ビを、必死に押さえてまわっていると、Ｓ訪さんがフラッと畑にやってきた。

「今年は玉葱植えられなかったよぅ。秋にタネ蒔いたの雨でみんな駄目だし、何処も売ってないし」

と溜息をついているので、にゃんこ堂が作ったチビ苗の残りを差し出したら、なんだか申し訳ないくらい大喜びされてしまったのだ。
　
　Ｓ訪さんは血糖値も高いらしいので、ウコンとヤーコンもスコップで掘り出して無理矢理押し付ける。事務の上っ張りのポケットからボールペンを取り出して「なんて名前だっけ？この芋・・・」とレシートの裏にメモしているのを覗いたら

”　やー根（ヤーコン？）　きんぴらする”と書いてあって、おもわず顔がニヤニヤしてしまった。

　春ウコン。葉はさほど繁らなかったが、地下に植えたタネ球の６〜７倍の球根がついていたので、それでもう満足なのだ。
　去年はすりおろして小さなパックにして冷凍したのだが、今年は包丁で薄切りにして乾燥させようと思う。
　ウコンの葉や茎も消毒作用があるので、刻んで乾燥させて足湯を使うと水虫などに良いのだ、と聞いたことがあるのだ。茎を挿しておくと花瓶の水が腐りにくいとか、なかなか役に立つ葉っぱなのだなぁ。
　
　お昼、Ａ井さんとトンカツを食べに行く。
帰ってから畑でチョロギを掘り出す。クラクションがして振り返ると、軽トラの中からＳ訪さんが「早速植えてきたよー」と声をかけてきた。


暮れる前のまだ明るい空にかかる夕月が、どんどん丸くなっている。そろそろ満月なのだなぁ。



（画像１）チョロギ。こんなふうに出来ます。ボケ防止によいそうな。やったね（なにが(笑）

（画像２）ううっ。こうやって見るとちょっとグロいかもしれん。大きいのは単三電池くらいあった。

（画像３）横から読むな横から(笑）