青空と空芯菜と自転車頑固職人
2004/10/06 (水)

hare.gif 待ち望んだ青空である。張り切って長靴を履いて畑に急行したが、あまりのズブズブに足を踏み込む事もできない。お札を貼られた妖怪のように、ただもう畑の周りをぐるぐる回ってトボトボ帰ってくる。洗濯物を干していたら、Kさんがやって来るのが見えた。しばらく畑の周りを熊のようにウロウロしていたが、諦めてションボリ帰っていく。やっぱりなぁ。

 出掛けようと思ったらボロ自転車の調子が悪い。雨晒しなのでペダルがサビついて動かないのかと、油を注したり色々試したのだがラチがあかないので、やったー、今度こそ新しい自転車が買えるかもしれないぞ、と自転車屋に電話する。なぜなら、毎回「まだ直せば乗れる」などと言ってなかなか新しいのを売ってくれないのだ。

 店に行くと、修理依頼の自転車の山の陰からお爺ちゃんの「おうー」と声がする。
買いたいのを勝手に見ろ、というので好きに見る。・・・といっても6台しか置いてなくて、しかも2台は子供用だ。値札も付いていないので、あれはいくら?これはいくら?と、いちいち訊きに行かなくてはならない。なかなか大変なのだ。

「これか、これは、うーん9800円でええよ、登録すんのかい」
「やだなぁ。するよーもちろん、・・・今日随分直しの仕事あるねえ」
「仕事あっても気力無くてよ・・・、温泉でも行きてえよ。んじゃ9300円でいいや、登録料いれて9800円だ。ここにトコロと名前と電話書いてくんな。あー、代金は後でいい」

そう言って、商品の小袋がぶら下がった壁かけのボール紙を取って裏返して、椅子の上に置く。えええ、ここに書いてわかんなくならない?と言ったら、あー?わかんなくなったらアンタんちに聞きにいきゃいいでよぅ、と顔も上げずにうるさそうに答える。愛想もへったくれもない。これで商売なりたってんのか心配になる。

 書いた住所を声を上げて復唱してウンウンと頷くと、お爺ちゃんは黙って裏から自転車の代車を持ってきた。新しい自転車整備して家に届けるから、それまでコレに乗れというわけだ。田舎の、小さな自転車屋だが、この御爺ちゃんが生きてる限り、私はここ以外で自転車を買ったり修理したり絶対しないと誓っているのだ。

 ところで、借りてきた自転車だが、スポーツタイプなのだ。前傾姿勢なのだ。バーが高いのだ。
家にかえるまで二度転んだのは爺ちゃんに内緒である。(笑)

夕方には少し乾いて、畑に入れるようになった。まだ大分ぬかるけれど。

(画像1)孤高の侍のような八丈オクラ。何処まで高くなるのだろう。

(画像2)収穫。人参は間引きしてないので小さい。空芯菜、茄子、伏見唐辛子。

(画像3)空芯菜の花が咲きそう?

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にゃんこ堂の家庭菜園日誌
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