隣の区画のＫさんが炎天下の中、ジャガイモの収穫跡を耕している。おはようございます〜♪と挨拶してトマトの畝を見たら、エッ？トマトの株が全身真っ白？こらぁ〜っ！どのトマトも全身消石灰まみれじゃないか〜！
「あ、ゴメンゴメン！かかっちゃった？」
Ｋさん、気づいて慌てて駆け寄って手で石灰を掃おうと枝を揺する、が、バキッって音が。
───バキ？・・・・。
「あっ！」「ああっ！」「ああああああ！」「あああああああゴメン！スマン！」
「Ｋさんが折ったーっ！わーん！」

　その後、噴霧器に水を入れてシャワーで必死に流すが・・・トマトは全身ウブ毛が生えてるんだよー、なかなか取れないんだよー。もう〜このトマト達「灰かぶり姫」って呼んじゃおうか・・・。
Ｋさん・・・許さんぞ〜、「シシトウあげます！食べてね」と言いつつハバネロを一個紛れ込ませる刑にしちゃうからねー。

　Ｍ川の御婆ちゃんの庭の胡瓜がウリハムシの大発生の時に全滅しちゃったらしい。「じゃあ、胡瓜買って食べてるの？」と訊くと眼をしばたかせて「そおだよー。農家なのに情けないねぇー」と言う。やっぱり今年の虫害はちょっと異常かも。
　うちの初物ひょろひょろ胡瓜を御婆ちゃんの手押し車に入れて、食べるとき西向いて笑って食べてねー！と冗談を言って手を振る。・・・あれ？西向いて笑うのって節句の海苔巻きだっけ侍だっけ？

　午後、胡瓜をあげた御婆ちゃんが靴箱にマリーゴールドの苗を沢山いれて持ってきてくれる。畑に植えると虫除けになるっていうので親戚の花農家に貰いに行ったものらしい。（画像１）
「これを植えると、人参に悪さをする虫が寄り付かないっていいますよねー」
「人参にいいのかい。あんた、スイカを虫に食われたって言ってたからぁ・・・、スイカんとこ植えればいいと思ってさぁー」
ス・・・スイカにはどうかな。でも御婆ちゃんの気持ちが有難いから、スイカの所にも植えてみる。なんだか畑が華やかに。

（画像２）Ｓ藤さんちの老犬コロ。白内障で盲目だが一日中、ご主人の後をついてまわっている。コロが畑の前を散歩で通ると作業終了。
「六時だよー」と声がかかる。「えー、もうー？」

（画像３）あづー、冷たい床に移動する駄猫。