2016/03/03 (木)
時間潰しに立ち寄った書店で表紙に掲題の記載が有る本を見つけた 「中ノ俣」は実家の在る地域で今も兄貴夫婦が住んでいる 「自然栽培」と言う名の季刊誌の巻頭8ページに村のことが紹介されていた
山間に在る集落の現在の人口は高齢者のみの80人ほど 昭和30年代中頃は小中一貫の学校に200人近い子供たちがいた 歴史上ピーク時の人口は600〜700人とも言われる 100戸近い集落だったので1戸に7、8人居ればそんな数になる
大した田んぼは無く、周囲の山は低いので湧き水は少ない 夏場の日照りで田んぼはすぐに干上がるがそれでも米を作り皆が生きてきた
冬は雪に閉ざされるので外に出れないときは藁仕事、晴れれば雪下ろしが大人の日常 『おとうは土間で藁打ち仕事・・』なんて歌が有ったが情景が浮かばぬ人も多かっただろう 縄をなったり猫つぐらを作る藁は丸い石の上に乗せ、杵で叩きながら柔らかくする この丸い石は必需品なのでどの家も土間に埋め込まれていた 作る品物により藁の硬さが変わるので藁打ち仕事も結構大変なのだ
この本はそんな故郷の一瞬とも言える情景を紹介していた 先人の生活の知恵がいっぱい詰まった故郷はこの先どのようになるか 故郷創生で勢いを盛り返して呉れる事を望むが旅の人となった自分達には力が無い 来週は故郷の同級生が東京見物に出てくる 5月の祭りには孫を連れて故郷を訪れてみたいと思っている 今に自分に出来ることは故郷への関わりと、記憶を風化させない事のみだ
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