2011/09/13 (火)
神社の建物はかなり古くなっているが内部の飾り物も劣化が目立つ 真榊(まさかき)と呼ばれる飾り物を新調したいと言う事で寸法を採りに出向いた
「あれ! 錠が無い この前の祭礼で最後に鍵を掛けたのは自分のはず・・」 扉を開けて賽銭箱の周りを見たら何となく汚れている しばらくぶりだがドロボーが侵入したみたいだ 先の祭りで賽銭は回収しておいたし他には盗られるような物は無い 追い銭のつもりでもなかったが少し残しておいた赤い銭はそのままだった ドロボーにとってはくたびれ損だがこちらは鍵の修理・交換が出費になる
肝心の真榊は一対で一番安い物が13万円位だ 飾りを下げる台は従来の物を使い、飾りだけ交換すればこれが半分以下になる 神様の物だから全部新しい物に・・と言う人も居るが何となく勿体無い
以下は近頃聞いた話
伊勢神宮の式年遷宮が間近にせまっている 遷宮では社殿を新しくするだけでなく、各種の神宝等も何年もかけて造り、遷宮に合わせ更新される 当代の第一人者達が造り出す物は刀剣だけでも70数振りになると聞いた 弓矢に使う鳥の羽根は絶滅危惧種の物だし、織物に使う絹糸は良質の物が少なくなったとか
『鳥居や橋等を更新する為の用材の確保が難しくなるので半永久的な物に・・』との進言も有ったらしい だが、明治天皇は『定期的に更新する事で伝統技術の保存や伝承がなされる』と言われたとか 神宮の神宝更新に使われる技法には一子相伝のものが幾つも有る 技能者が早世するとか『俺やめた』という息子が出れば技術はそこで途切れる事になる 伊勢の遷宮が続いたことで消えた技術の再生・再現が図られたものもあるだろう
『遷宮はこの先何年続けられるのだろう』と言うのが自分の感想 正倉院のお宝は過去の技術の素晴らしさを伝えている 伊勢のお宝はそんな技術・技能が連綿と伝えられてきた事を物語っているようだ 信仰とは別にしてお宝巡りの為に近畿を訪ねようと思う
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