蕗を送る
2009/04/24 (金)

kumori.gif 昨日の爽やか天気から一転 今にも降りそうな空の一日だった

たいしてする事も無いのでMさんに蕗を送ることにした。
 
Mさんは80歳過ぎの東京の人 奥さんは更に4歳ほど年上だ。
一昨年まで毎週のようにこちらに通い、畑仕事をしていた。
2年前、Mさんは何回目かの脳梗塞になり、車の運転が出来ないので二人の農園生活は終わった。
奥さんも昨年腰を痛め数ヶ月入院 今では二人とも杖をつきながら生活している。
 
二人が畑を始めたのは15年ほど前 奥さんが70歳近くになってからとの事。
体調を崩し動けない奥さんは、医者から転地を勧められた。
畑に連れてこられて 初めは動けず車の中にいたが回復は早かったらしい。
 
Mさんは地元出身で土地は自分の物 貸地の内400坪程を自分たちで使う。
畑仕事はずぶの素人ながら サツマイモを植え 蕗、茗荷、韮を栽培していた。
『ホウレン草が育たない』と言いながら石灰を撒いたすぐ後に種を落としていた。
そんな二人に出会い、つたないアドバイスをしながら付き合って10年近く。
 
畑仕事はこちらの休みに合わせ その日は朝4時ごろ東京を出て、6時前に我が家の前を通る。
お昼はおにぎりと奥さん自慢の漬物(60数年物の糠床漬け)だが私の分まで用意してある。
腰の曲がりかけた奥さんの作業は地面に座って草抜き、葉物の間引きや繕いもの。
今頃の季節は嫌いな毛虫と格闘しながら大好きな蕗を摘んでいた。

『二人とも元気?』『だんだん体が動かなくって・・』『蕗を送ったから・・』
耳の遠い奥さんは向こうから一方的な話になる とりあえず元気で良かった。
蕗なら座ったままでも下ごしらえ出来るし、調理の負担も少ない。
日頃から『何も出来ない爺さんより先に死ねないと』頑張る婆さんだ。

 
もうじいのぐうたら農業
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