小林一茶のこと
2011/02/22 (火)

hare.gif 春風のそこ意地寒ししなの山
春の風おまんが布のなりに吹 一茶

★2月の日記から一茶の俳句を毎回掲載している。

小林一茶は宝暦13年(西暦1763年)5月5日、奥信濃の柏原村(長野県信濃町)に生まれ、江戸に奉公
に出てから俳諧師となり各地を旅して俳句を詠んだ。晩年はふるさとで過ごしている。

一茶のことで思い出すのは小学校時代に修学旅行(新潟の鯨波)の事前課外授業で「小林一茶」を調べた時の
ことである。一茶を「いっちゃ」とふざけて呼んでいたら、先生が真剣な顔をしてゲンコツをくれて怒り、
子供の心は「大変いけない事したんだ」と感じたのを半世紀以上も経った今でも、初めて日本海を見た感動
と共に覚えている。また、先生が生前にくれた年賀状には時折「一茶の句」が添えられており、このときの
事を懐かしく思いだしたりもした。

一茶が山国で生活した時代、農事は自給のために日常の基本であったのだが、一茶はあまり家庭菜園に熱心
であったとは感じられない。けれども一茶の才能、感受性がとらえる自然や生活は俳句となって、楽しませて
くれている。農事が趣味となった現代に、晩年に家庭菜園をする者に、別の愉しみを与えてくれる。一茶の
俳句は今になって、なるほどと理解できる句が多い。

先日、読みやすくていい子供向け絵本「一茶さん」森貘郎 板画 一茶記念館 編(オフィスエム)を注文した。
子供の頃にかえって、昔に夜なべする父母達から聞かされた「一茶さん」のお話を読んでみるつもりである。
この本の挿絵・森貘郎の板画(写真)がまた、「おらが春」(蔵書)でもそうだが、棟方志功作品に似て天真
爛漫な感じがあっていいなと思っている。
小林一茶は約20000の俳句を残した。一茶の俳句をこの家庭菜園日記とともにもう一度楽しんでみようと思う。
 
 一茶さん

 一茶のおじちゃん 一茶のおじちゃん
 おなたのおうたを 聞かせてね
 それでは歌って みましょかのー
 私が小さい ときじゃった
 おせどの畑で ひとりきり
 母さん思うて よんだうた

 われときて あそべや 親のないすずめ
 われときて あそべや 親のないすずめ

 一茶のおじちゃん 一茶のおじちゃん
 信州信濃は どんなくに
 ハイハイ 信州信濃はのー
 大雪小雪の 山のくに
 春が来たとて まだ寒い
 すずめもふるえて おりますじゃ

(同世代なら誰でも知っている歌 中條雅二作詞・中野二郎作曲)
 
 付記
 信州信濃の山おくの、一茶のふるさとを超えて日本海にでると越後(新潟)出雲崎に良寛のふるさとがある。
 良寛についてもまた、一茶と同じく親しみがあって、もっと深く知りたい「お話」がいっぱいだ。(写真)

 あは雪のなかにたちたる三千大世界 またそのなかにあは雪ぞふる

☆おらが春「おのれらは俗塵に埋れて・・」の一茶と良寛の違い(人生など)を見つめながら親しむのもいい。

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limelight2011家庭菜園作業メモ
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